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必見│OJTとは?目的やメリット、実施する際の流れとポイントも解説

公開日:

2024/02/27

最終更新日:

2024/2/27

必見│OJTとは?目的やメリット、実施する際の流れとポイントも解説

「Onboarding」マーケティングチームメンバー

Muto Haru

WEBプロダクトの新規事業立ち上げ、DX推進、WEBサイト運用や広告などデジタルマーケティング歴10年以上。 ノーコードSaaSツール「Onboarding」マーケティングチームメンバー。

OJTとは

OJTは、On-the-Job Trainingの頭文字を取った略称です。ビジネスの領域では、新入社員や業務未経験者などに対して、職場で必要な技術やノウハウを実務を通じて教育する方法を指します。

職場の上司や先輩が指導役となり、仕事をしながら実践的に社員を育成する方法です。また、指導する側にとっても、普段の業務を振り返ることで生産性を向上させる契機にもなります。

OJTは、日本では終身雇用制とともに定着した研修方法と言われていますが、現在でも時代と共に変化しながら多くの企業で活用されています。実践的かつ効果的な研修手法ですが、適切に実施しなければ育成効果が十分に得られない方法であることも確かです。

この記事では、OJTを実施する目的やメリット、実施時の流れや注意すべきポイントなどを解説します。OJTを行なっているか、導入を検討している企業や教育担当の方は、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

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OJTとOFF-JTとの違い

OJTと対比される教育方法に、OFF-JTがあります。OFF-JTはOff-the-Job Trainingの頭文字を取った略称です。Off-the-Job、つまり実務を離れて行われる研修を指します。OFF-JTでは、社会人として基礎やマナーの研修、専門知識の座学での習得、ロールプレイングでの実務のシミュレーションなどが行われます。

OJTは職場での実践を通じて、実務経験豊かな上司や先輩から直接指導を受けることに重点が置かれています。それに対してOFF-JTは、特別に設定された時間や場所で、一般的な知識やノウハウを習得することが目的です。

また、OJTは職場でのアウトプットを伴う教育であるのに対して、OFF-JTはインプットを中心にした研修であることも特徴です。多くの企業ではOJTとOFF-JTを組み合わせて、効果的な社員研修を組み立てています。

OJTを実施する目的

業務の研修方法にはさまざまなものがあります。それぞれの研修方法には得手不得手があるので、複数の方法を組み合わせることが一般的です。もちろんOJTにも適した領域があります。OJTを採用して実施する際の主な目的を解説します。

新入社員や新しく配属された社員の教育

OJTの代表的な目的は、新入社員や新しく配属された社員の教育です。職務遂行能力を向上させることで、即戦力となる人材を育成します。OJTでは、上司や先輩が直接指導することで、トレーニングを受ける社員の個々の資質や特性、あるいは業務内容に応じたフレキシブルな対応が可能です。これによって、企業は能力、スキル、経験に合わせた育成が可能となります。

また、OJTは早期育成も実現します。従来のOJTは職務を通じて教育することが重視されていました。しかし近年の人手不足の状況下では、新人が業務内容を迅速に理解して対応できるようになることが求められます。そのために、OJTは有効な手法として定着しています。

組織全体のレベルアップ

OJTでは、実際の職場で業務を共にする先輩社員が、新入社員や異動してきた新しいメンバーを教育します。人事部が教育を専門とする担当者を派遣して、新しい社員を育成するものではありません。そのため、部署や業務担当チーム内で、人が人を育てるような組織づくりにも役立ちます。チームメンバー内で技術やノウハウを伝達し合う環境の育成につながるのです。

すると、教えてもらう側はもちろん、技術を習得してレベルアップすることができます。それに加えて教える側も、教えるために業務を振り返りノウハウをまとめるため、結果として組織全体の底上げにつながります。

業務効率化と教育係の能力向上

OJTの重要な目的の一つに、業務の深掘りとマネジメント能力の向上があります。OJTでは実務を通じた教育を実施するため、研修の前に業務の目的や流れを再確認することが必要です。そのため、教育担当者自身も業務をより深く理解し、教えるためにマネジメントについて学べます。

これらの結果として、OJTの実施は組織全体の生産性向上にも役立ちます。また、新しい技術や方法を取り入れる際にも、OJTの手法が使われます。新技術の導入時には、指導役を設定して教育係にするためです。ここでも、新しい方法による業務の効率化とともに、教育係のスキルを伸ばす効果が期待できます。副産物ではあるものの、OJTの大きな目的となっています。

社員の不安解消と離職防止

OJTには新入社員や新しく配属された社員と、上司や先輩社員とのコミュニケーションを促す効果もあります。新しいメンバー個々の強みや弱みを把握しやすく、意見や考えを引き出すことが可能です。そのため部署内で関係性を構築しやすく、メンバー間の不安を和らげて離職を防止することも目的の一つとなっています。

また、OJTでは即戦力を育成するため、限られた範囲内ではあるものの、新しいメンバーがすぐに活躍できるチャンスを得られます。それがモチベーションの向上につながり、職場への定着を促進するのです。

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OJTを実施するメリット

OJTは育成方法の一つですが、他の方法とは異なるメリットを得られます。OJTを実施することで得られる主なメリットを説明します。

研修との相乗効果が得られる

OJTは座学での研修と組み合わせることで効果が増します。研修は効率的に知識を伝えられますが、OJTでは実際の業務に即した形でノウハウを教えられるためです。研修とOJTがそれぞれ補完し合う形で、相乗効果を産むのです。

そのため、多くの企業では新入社員教育などにおいて、OJTとOFF-JTの両方を採用しています。どちらが優れているということはなく、それぞれにメリットがあるためです。

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一人一人に合った教え方ができる

OJTは実践的な教育方法なので、新入社員の性格やスキル、理解度に合わせて柔軟に育成ペースを調整できます。教育担当が1対1で指導できるため、新人の個性や強みを把握しやすく、個人に合わせた目標設定や育成計画を立案できます。

そのため、集団での研修とは異なり、新入社員それぞれの習得レベルや個性に合わせた指導が可能です。すでに身に付いていることは省き、苦手なことを繰り返し教えられるので、育成効率を高められます。

教育コストを抑えて即戦力を育成できる

OJT指導者が社員なので、特別な費用をかける必要がありません。また、実務を通じて行うので、社内の環境を活用します。そのため、育成のための追加コストや手間を削減できます。

例えば、外部の研修会社に委託した場合、費用や打ち合わせコストが発生します。また、OFF-JTでも、研修プログラムを外注したり、講師を呼んだりすることが多くなります。多人数を集めて行う場合、会場を確保する費用もかかります。

コミュニケーションが取りやすくなる

OJTでは、教育係が新入社員に対して直接指導を行います。そのため、会話やコミュニケーションが活発になり、人間関係を築きやすいこともメリットです。新入社員がOJTで接するのは、その後も社内の同じ部署で業務を担当する先輩や上司です。OJTの過程でお互いに性格や個性についての理解もできるので、業務もスムーズに進められます。

また、教える側・教わる側も複数である場合もあります。その場合には、教える側同士・教わる側同士もOJTについて話し合うことが増えるでしょう。その結果、部署全体のコミュニケーションを活発にする効果もあります。

OJTを実施する際の流れ

OJTは実践的な教育方法です。とはいえ、日常の業務をそのまま一緒に行うだけでは効果が低く、習得にも時間がかかります。OJTを実施する際の、効率良く育成を進められる流れを見てみましょう。

課題とゴールを設定する

OJTを成功させるためには、目標設定が重要です。まず会社側が、新入社員に身につけてもらいたい知識やスキルを明確にします。その際、新入社員がどのように働き、キャリアアップしていくかを描くことも重要です。先輩社員や上司をロールモデルにするのも有効です。

ゴールが設定できたら、OJTを受ける社員の現状のスキルや経験を考慮して、課題を設定します。それに合わせて指導係の選定も進めます。担当する業務内容や、新入社員の性格に合わせた人選が必要です。

そして、課題とゴールが設定できたら、具体的にOJT計画書を作成します。

トレーナーが実際にやってみせる

まず教育係が、実際に業務を行いながら内容と流れを見せます。その際、業務内容の解説や、業務の意味や目的も説明します。また、新入社員が随時質問できるようにすることも大切です。その場で疑問を解決することで、理解を深めてもらいます。

もし教育のための時間が取れない場合や、発生頻度の低い作業を実際に見せる機会がない場合には、トレーニング内容を動画にまとめることもおすすめです。

説明・解説してトレーニーにやってもらう

教育係が実際にやってみせている間には、十分な説明ができないことがほとんどです。特に業務の意味や目的までは説明しきれないでしょう。説明が漏れている部分があれば、作業後に丁寧に解説します。

そして、同じ作業を実際に新入社員にやってもらいます。当然すぐに上手くできるとは限りません。失敗することの方が多いでしょう。そのため、教育係が見守り、説明しながら進めることが必要です。失敗を責めたり笑ったりすることなく、モチベーションを維持できるように意識します。

フィードバックを得て指導をする

業務を実際にやってもらった後は、フィードバックを行います。できていたこと、できなかったことを具体的に示します。改善すべき点を伝えることはもちろんですが、良かった点も伝えることが重要です。新入社員がモチベーションを落とさず、失敗と成功の原因と理由を考え、次に活かせるようにするためです。

時にはOJT計画の修正や再設計が必要になることもあります。その場合は教育係だけでなく、部署や人事担当者とも連携して検討すべきです。

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OJTの効果を上げるためのポイント

OJTをより効果的に実施するためには、気を付けるべきポイントがあります。可能な限り大きな効果を得るための主なポイントを説明します。

計画的に業務の難易度を上げていく

OJTは設定した計画に従って進めることが大切です。新しい業務が発生するたびに教えるのではなく、簡単な作業から難しい業務へ徐々にステップアップして進めることがポイントです。

一貫性のない指導になってしまうと成長が妨げられます。そのため、教育係以外による検証も必要です。教育係の上司や人事部門が、OJTの進捗を確認しフォローする仕組みを構築すべきです。

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マニュアルと個別指導を組み合わせる

業務マニュアルの活用は新入社員教育においても有効です。マニュアルがあれば業務の手順が明確になり、新入社員でも迷わずに進められるためです。教育係の負担も軽減できます。

しかし、新入社員が全員同じ方法で業務理解が進むとは限りません。マニュアルだけでは理解が進まないことや、苦手な分野を持つこともあります。

そのような場合には、OJTの強みである個別に指導ができる点を活かすことが必要です。新入社員それぞれのスキルや経験、性格に合わせた指導方法を検討し、柔軟にOJTを進めましょう。

OFF-JTと組み合わせる

OJTとOFF-JTは、得意とする領域が異なります。OJTは即戦力の育成に有効ですが、OJTだけでは習得が難しかったり効率が悪かったりする分野もあります。

そのため、多くの企業がOJTとOFF-JTを組み合わせて、新人研修を行なっています。一般的には、基本的な知識やスキルをOFF-JTで学び、OJTを通して実践的な業務を身につける、という流れが多くなっています。OJTとOFF-JTを使い分け、相互に補完し合う研修プログラムを設計しましょう。

会社全体で取り組む

OJTは基本的に教育係によって行われます。しかし、会社全体によるサポートは欠かせません。経営陣が基本方針や制度を示すことを含め、積極的にOJTに関与する環境を整えることが重要です。

また、OJTの教育が新入社員をサポートするのはもちろん、チームや部署としても育成に取り組むべきです。その中で、教育係をサポートする仕組みも求められます。教育係のための研修や、フォローアップを仕組み化するのが有効です。

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まとめ

OJTは新入社員や業務未経験者などに対して、職場での実務を通じて教育する方法です。社内で追加コストをかけずに実施でき、即戦力の育成にも有効なので、多くの企業で行われています。また、教育を通じて新入社員とチームや部署のメンバーがコミュニケーションを取りやすくなり、新入社員が入社時に感じる不安を和らげられることも大きなメリットです。

ただし、OJTは教える側でも業務を理解し直し、新入社員それぞれに適した計画を立ててから実施しなければ、十分な効果は得られません。会社全体でのサポートも重要です。ぜひこの記事で説明したOJTの進め方やポイントを把握して、素早く効率的な人材育成をつなげてください。

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