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顧客単価を上げるために欠かせない方法である、アップセル・クロスセル。
いずれもセールスにおいて重要であることは言うまでもありませんが、それぞれにふさわしい提案のしかたやタイミングは異なります。
この記事では、アップセル・クロスセルの意味や重要性など基本について説明した上で、具体的な事例を踏まえて施策成功のポイントを解説していきます。
アップセル・クロスセルの違いを正しく理解し、セールス活動に活かしましょう。
はじめに、アップセル・クロスセルの基本的な意味について解説します。
アップセルとは、既存顧客に対して現在利用しているものよりも上位の高価格なサービスやプロダクト、追加オプションの契約・購入などを促す営業手法です。
例えば、サービスの利用を一部部署でスモールスタートしたユーザーに対して全社展開を提案したり、無料会員に対して有料会員登録を促したりすることはアップセルにあたります。
クロスセルとは、既存顧客に対して現在利用中のサービス・プロダクトに関連するものをセットで契約・購入してもらえるよう勧める営業手法です。
例えば、不正検知システムを導入した顧客に対して、検知された脅威に対処するためのセキュリティ製品を提案することはクロスセルの一例と言えます。
ここまで解説したアップセル・クロスセルの違いをまとめたものが以下の表です。
また、「ダウンセル」というより安価な下位グレードのサービス・プロダクトを勧めたり、オプションを外したりする営業手法もありますので、セットで覚えておきましょう。
ダウンセルは顧客単価向上を狙うアップセル・クロスセルと異なり、現在利用しているサービス・プロダクトが顧客にとって高額すぎたり高性能すぎたりする場合に、離反を防ぐ目的で用いられます。
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では、アップセル・クロスセルを行うことで具体的にどういったメリットがあるのでしょうか。
アップセル・クロスセルを実施するメリットの一つは、LTVや顧客単価を上げられるという点です。
売上は「顧客数」と「顧客単価」によって決まりますが、市場の成熟に比例し顧客数を増やすことは困難になっていきます。
そこで考慮すべきは顧客単価です。継続的な収入の維持・拡大のためには、顧客1人あたりの売上金額を向上させることが欠かせません。
また、アップセル・クロスセルにより顧客のニーズに合った上位グレードの製品や関連商品を利用してもらうことで、結果的に顧客の満足度が高まれば継続利用にもつながります。
継続利用はLTV(顧客が契約を開始してから終了するまでの期間に得られる利益)の向上をもたらすため、特にサブスクリプション型の収益モデルを採るSaaSビジネスにおいて非常に重要です。
※LTVについて詳しく知りたい方は以下の記事を参照してください。
【LTV向上】SaaSにおける重要性と改善方法を解説
アップセル・クロスセルによるメリットの二つ目は、効率的な収益確保につながるということです。
アップセル・クロスセルはすでに関係性のある既存顧客をターゲットに実施する営業手法です。
1から関係性を構築し契約にこぎつける必要がある新規顧客開拓と比較すると、低コストで売上を上げられる可能性が高いと言えます。
そのため営業効率の面で特にアップセル・クロスセルは有効な手法なのです。
ただし、もちろん新規顧客の獲得もバランスよく行う必要がありますので、営業活動を計画する際には両軸で目標を立てるようにしましょう。
▼フリートライアルにおけるオンボーディング施策についてはこちら
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ここからは、アップセル・クロスセルの実例を取り上げながら、具体的な方法について説明します。
アップセルの具体的な方法としては、例えば以下のようなものが挙げられます。
アップセルはある程度、利用中サービスの活用度が高まったり、価値を感じていただいていたりする最適な段階で提案しないと顧客に時期尚早と感じられてしまいますので注意しましょう。
・ボリュームディスカウント(契約ライセンス数などに応じた割引)
・上位グレードの商品に対する割引提供
・上位グレードの商品限定の付加サービス提供
・無料トライアル期間や機能制限付きの無料プランの提供
・段階的なサービス導入の提案、導入ロードマップの提示
・利用状況(契約ライセンス数、データ量など)に基づく提案
・利用中サービスに対する不満や要望のヒアリングに基づく提案
身近なアップセルの事例の一つが、Google社のオンラインストレージサービスである「Google Drive」です。
無料版には1ユーザーあたり15GBの上限が設けられており、保存容量が上限に近づくと大容量な有料プランへのアップグレードを勧めるメッセージが表示されます。
さらに、初回のアップグレードには試用期間が設けられているのもポイントです。
上位プランを一定期間通常より安価に利用することができるため、ユーザーのアップグレードに対するハードルを下げる効果が期待できます。
アップセル施策においては、ユーザーはより高額を仕払うことになるため、それにより得られる価値や中長期的に見たコストメリットを具体的に明示することが必要です。
あわせて、アップグレードによる価値を十分にイメージできていない顧客に対しては、Google Driveの事例のように上位プランを実際に試せる期間を設けることも有効です。
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クロスセルの具体的な方法には、以下のようなものがあります。
クロスセルの場合は、利用中サービスの活用度よりも、顧客の持つ課題解決につながる提案ができるかどうかがポイントです。
・セット購入に対する割引提供
・セット購入に対する限定サービス提供
・課題に対応する商品群のパッケージ化
・商品ベースではなく、顧客の課題ベースの提案
例えば、IT資産管理ツールを提供するMOTEX社は、IT環境のセキュリティを保つための関連製品としてアンチウイルスソフトや運用サポートシステムも提供しています。
IT資産管理ツールは内部不正や外部脅威を把握・可視化するための製品ですが、そのようなツールを利用する顧客の課題はセキュリティの確保です。
顧客の根底にある課題を解決するためにはどういったサービス・プロダクトが必要か、という目線でクロスセルを行うことが重要です。
アップセル・クロスセル施策を行う際、気をつけておくべき3つのポイントについて紹介します。
企業や製品・サービスに対する顧客の信頼や愛着を指す「顧客ロイヤルティ」。
顧客ロイヤルティが低い状態で提案を行っても、そもそも聞く耳を持ってもらえず、アップセル・クロスセルは失敗に終わる可能性が高いでしょう。
それどころか、押し売りをされたように感じられ、かえって悪印象につながる恐れもあります。
また、仮にロイヤルティの低い顧客が上位プランや関連商品を契約したとしても、その状態が続けばいずれ解約されかねません。
アップセル・クロスセル施策を成功させるためには、まずは素地として顧客ロイヤルティの醸成が必要です。
前述のとおり、顧客ロイヤルティの程度によってアップセル・クロスセルの成否は左右されます。
したがって、効率的なアプローチのためには顧客のセグメンテーションを行い、よりロイヤルティの高い顧客群に対して優先的に対応することが有効です。
なお、顧客ロイヤルティを定量的に可視化できるNPS®(ネットプロモータースコア)はセグメンテーションを行う際の有用な指標です。ぜひ活用しましょう。
※NPS®について詳しく知りたい方は以下の記事を参照してください。
【NPS®向上】スコアの改善や顧客へのアンケート設計方法を解説
アップセル・クロスセルの提案が押し売りと受け取られたり、スルーされてしまったりしないよう、ユーザーにあった適切なアプローチの手法とタイミングを検討する必要があります。
問い合わせや要望などの定性データから想定される顧客のニーズや、定量的な利用データ・顧客の属性などに基づいて、有効なアプローチの仮説を立てましょう。
アップセル・クロスセル分析を施策実行後に振り返りとして行うことも重要です。
どういった顧客にどのような提案が刺さったのかを分析し、結果を次なる施策へ活かしましょう。
この記事では、アップセル・クロスセルの意味など基本的な内容から、具体的な事例を取り上げながら施策を成功させるためのポイントまで解説しました。
アップセル・クロスセルは、特に成熟度の高い市場における収益確保に効果を発揮します。
また、顧客ロイヤルティを高めた上でふさわしいタイミングと手法で行う必要があります。
自社の事業フェーズや顧客の状況を見極めた上で、適切にアップセル・クロスセルの取り組みを行いましょう。
アップセル・クロスセルは、定性データから読み取れる顧客ニーズや、利用データ・顧客の属性などの定量的なデータに基づいたアプローチの仮説・実行の重要性をご説明しました。
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