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keyboard_arrow_right公開日:
2022/04/08
最終更新日:
2023/5/15
PLGとは?SaaS業界の新戦略。すぐに実践できる導入メソッド・メリット・事例を解説
「PLGって何?」
「PLGのメリットを把握しておきたい」
「PLGをこれから推進してきたい」
上記のような方も多いのではないでしょうか。
近年、世界的にも採用する企業が増え、特にSaaS業界で注目されているPLGモデル。
しかし、日本ではまだまだPLGが普及しているとは言えません。「興味はあるけれど、実際はよく分かっていない」という方もいるでしょう。
そこで今回は、PLGの基礎知識について分かりやすく解説していきます。PLGのメリットや具体例、すぐに実践できる導入メソッドなどにも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。
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まずは、「PLGとは何か」を丁寧に解説していきます。
PLGとは「営業やマーケティング活動をプロダクト内に取り込むことで事業の成長を促していくモデル」のこと。「Product Led Growth:プロダクトレッドグロース」の略語で、日本語では「製品主導の成長」と訳されることが多いです。アメリカのベンチャーキャピタル「OpenView」が2016年に提唱した概念であり、既に世界中の多くの企業がこのPLGモデルを採用しています。
特にビジネス向けのサブスクリプションサービスにおいて、PLGが用いられるケースが目立ちます。無料体験としてSaaS製品を実際にユーザーに利用してもらい、その良さを実感してもらった上で、有料版に誘導するようなイメージです。
マーケターや営業担当者の力によって製品を売るのではなく、製品が直接ユーザーに価値を伝えて購入へと促していくわけです。プロダクトは一商品であると同時に、プロダクト自身を売り込むセールス担当者でもあると言えるでしょう。
従来は、SLG(Sales-Led Growth:セールスレッドグロース)というモデルが主流でした。これは、「セールスによってプロダクトを売る」というお馴染みの手法です。
例えば、ある製品を売るために、マーケターが顧客情報の収集やターゲティングを行い、プロモーション広告を打ち出し、営業担当者が実際に見込み顧客にアプローチしていく、といったイメージです。
営業や広告によって販促活動を行うSLGは、人的・金銭的・時間的コストがかかり、あまり効率的な手法だとは言えません。あくまでも人間主導のモデルであるため、マーケターや営業担当者の優秀さによって、業績も左右されてしまうでしょう。
そこで登場したのがPLGです。これまでの人間主導のモデル(SLG)ではなく、製品主導のモデルが設計され、主に海外のSaaSスタートアップ企業の間で流行し始めたのです。
PLGでは、無料体験を起点にしながら、見込み顧客の獲得やナーチャリング(有料プランへの引き上げ)、継続利用してもらうためのカスタマーサクセスなどを、プロダクト自身が進めていきます。プロダクトそのものがマーケターであり、営業担当者でもあるわけです。ゆえに、セールスのためのコストを削減でき、効率的に売上を伸ばしていくことが可能です。
▼PLGと対義語SLGの違いについてはこちら
『SaaSの新戦略 PLG(Product-Led Growth)とは?SLGとの違いと特徴』
どんな商品やサービスでもやみくもにPLGモデルを取ればいい、というわけではありません。自社のサービスがSLGとPLGどちらが向いているのか見極めて導入することが大切です。
PLGは製品自体が直接ユーザーに価値を伝えて購入へと促していくという仕組みのため、いかにユーザーが自己完結できる仕組みが提供できるかどうかがカギとなります。
では、どのようなサービスがPLGに向いているのでしょうか。
例えば以下のような仕組みを持つサービスは、PLGを導入してみてもよいかもしれません。
<PLGに向いているサービスの特徴>
・ユーザーが直感的に使うことができるシンプルなサービス内容
・もし使い方に困ってもガイドやツールチップなどユーザーが自身でセルフオンボーディングしやすいUI/UX設計
・ユーザーニーズに合わせたプランを選べる(無料プラン、有償プランなど)
・契約/解約がいつでもユーザーが簡単にできる
・データを取得、ユーザーのニーズを分析ができサービス改善ができる
・一人のユーザーで完結するだけでなく、他のユーザーと一緒に使うことができる
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この章では、実際にPLGを導入している企業の例を紹介していきます。
Slack
ZOOM
Dropbox
ぜひ参考にしてみてください。
まず、コミュニケーションチャットツールであるSlackです。「仕事で実際に使っている」という方も多いのではないでしょうか。
Slackのビジネスモデルは至ってシンプルです。基本的なツール利用であればいくら使っても無料。しかしより高度な機能を使いたいのであれば有料プランに移行する必要がある、というモデルです。
※プランの詳細は、下記をご参照ください。
参考:https://slack.com/intl/ja-jp/pricing
Slackにおいて、見込み顧客は以下のような動きをします。
無料でSlackに登録する
仕事で様々な人と繋がる
業務で必要不可欠になる
より高度な機能を使うため有料プランへ移行する
継続的に利用する
営業担当者が「有料プランへ移行しませんか?」と見込み顧客に電話していくわけではありません。
あくまでもSlackというプロダクトそのものがユーザーに働きかけ、有料プランへの移行を実現させているわけです。
次に、オンライン会議ツールであるZOOMです。コロナ禍の影響もあり、非常に多くの人がZOOMを利用するようになったことと思います。
ZOOMのビジネスモデルも、基本的にSlackと同じです。
誰でも無料でオンラインミーティングサービスを利用可能。しかし時間制限や機能制限がかかっている状態。制限を解除したいのであれば有料プランへ移行する必要がある、というPLGモデルです。
※プランの詳細は、下記をご参照ください。
参考:https://zoom.us/pricing
ZOOMにおいて、見込み顧客は以下のような動きをするケースが多いです。
相手が使っているので自分もZOOMに無料登録する
ビジネスでZOOMミーティングを行う機会が増える
業務で必要不可欠になる
時間制限や機能制限を解除したいため有料プランへ移行する
継続的に利用する
続いて、オンラインストレージサービスであるDropboxです。「社内でファイル共有のために利用している」「データは全てDropboxで管理している」という方もいるでしょう。
Dropboxのビジネスモデルも、前述の2社とほとんど同じです。はじめは無料プランで利用を開始し、ストレージが足りなくなったら、もしくはより高度な機能を使いたくなったら有料プランへ移行する必要があります。
※プランの詳細は、下記をご参照ください。
参考:https://www.dropbox.com/plans
Dropboxにおける見込み顧客の動きは、以下の通りです。
無料でDropboxに登録する
業務で必要不可欠になる
ストレージが足りなくなるorより高度な機能を使いたくなる
有料プランへ移行する
継続的に利用する
Dropboxというプロダクトの中で、営業・マーケティング・カスタマーサクセスがしっかりと行われているからこそ、有料会員も加速度的に増加しています。
※Dropboxの有料会員数は、2015年には650万人であったが、2020年には1,548万人にまで増加している
この章では、「PLGのメリット」について簡単に解説します。
具体的には以下の3つです。
営業コストの削減
決裁者と利用者間のギャップがなくなる
サポートコストの削減
順に見ていきましょう。
まず、営業コストの削減です。従来は、見込み顧客をリストアップして営業電話をかけて、商談へともっていくようなアプローチが主流でした。ある程度の営業コストをかけなければ、成果には繋がりにくい状態だと言えます。
一方、PLGでは、プロダクトを無料開放しまずはユーザーに試してもらう仕組みになっています。そのため、プロダクトの外側で行う営業活動はほとんどありません。
ユーザーが有料プランに移行するまでの間も、ほとんど人の手を介することはありません。ゆえに、営業コストを大幅にカットすることが可能です。導入までの時間も短縮できるでしょう。
また、信頼度がゼロの状態でいきなり有料プランに入ってもらうのはハードルが高いですが、無料体験によってプロダクトの価値を自然に感じてもらえるため、アップセルやクロスセルに誘導しやすいと言えるでしょう。
▼こちらもおすすめ
『アップセル・クロスセルとは?意味や違い、顧客単価を向上させる方法を解説!』
決裁者と利用者間のギャップがなくなるというメリットもあります。
従来のSLGの場合、プロダクトを購入するのはあくまでも社内の意思決定者層であり、実際にプロダクトを利用する現場ユーザーの声は届かないケースが大半でした。「契約・導入後にはじめてプロダクトに触れる」という現場ユーザーも多いことでしょう。
上層部が「これだ!」と思って新しいプロダクトを導入させた結果、現場では大混乱が起きた、というケースは決して珍しいことではありません。
しかし、PLGであれば、有料契約が行われる前に、現場ユーザーがまずプロダクトを無料体験することになります。ゆえに、「実際に利用してみた感想はどうか」「使いやすそうか」「何か問題はあるか」などを事前にチェックすることができます。
そのため、導入後のトラブル防止、チャーンの防止なども期待できるでしょう。また、現場ユーザーの利用状況に合わせた提案を行うことも可能になります。
最後に、サポートコストの削減です。上述のように、従来のSLGの場合は、現場ユーザーがプロダクトに価値を感じていない状態で、契約・導入が進んでしまうことがあります。その場合、以下のようなデメリットが生じる可能性があるでしょう。
現場ユーザーがプロダクトを使いこなせない
現場ユーザーの不満が増える
現場ユーザーのモチベーションが下がる
このような状態だと、現場ユーザーに納得してもらうために様々な調整が必要になり、プロダクト会社も様々なフォローをしなければなりません。余計なサポートコストが発生するわけです。
一方、PLGであれば、現場ユーザーがプロダクトを既に体験した上で契約・導入へと進むため、余計なサポートコストは発生しにくいと言えるでしょう。
▼PLGについてもっと詳しく知りたい方はこちら
『【解説】PLG戦略実行におけるフレームワークと成功のカギ』
PLGを成功させるためには、「プロダクトをいかに早く試してもらえるか」が重要です。
登録に手間がかかったり、いちいち電話で連絡を取る必要があったりすると、実際に利用してもらえる可能性は低くなっていくでしょう。そのため、PLGでは、フリートライアル/フリーミアムの状態にして、「試しやすさ」を追究しています。
※フリートライアル:一定期間、サービスを無料で提供するような仕組み
※フリーミアム:基本サービスは無料で提供し、高度な機能については有料とする仕組み
▼あわせて読みたい
【DL資料あり】フリーミアム・フリートライアルとは?SaaSビジネスの無料施策を成功させるポイント
最後に、PLGの導入メソッドを簡単に紹介します。
プロダクトの価値を高める
プランをいくつか用意する
ユーザーの利用状況のデータをとる
セルフオンボーディングの促進
サポートの体制を整える
まずは、プロダクトそのものの価値を高めていきましょう。基本的なことですが、「ユーザーの課題を本当に解決できるのか」「ユーザーが契約したいと思えるか」を意識することが大切です。
また、Time to Value(ユーザーがプロダクトの価値を感じるまでの時間)の短縮も意識したいところです。
料金プランは複数用意しましょう。
例えば、以下のようなイメージです。
無料プラン
スタンダードプラン
プロプラン
プレミアムプラン
ユーザーの利用状況のデータも集めるようにしてください。というのも、データ収集をしておけば、「パーソナライズされた提案」ができるようになるからです。
例えば、ある機能を頻繁に使っているユーザーがいれば、その機能をさらに拡張するオプションを提案する、といった具合です。
セルフオンボーディングとは、Webサービスなどにおいてテックタッチと新規ユーザー自身でオンボーディングを完了する考え方です。
手厚いサポートを経ることなくサービスの使い方や仕様を理解し、自身の手でサービスを操作・利用することで価値を実感できている状態が、セルフオンボーディングを完了した状態と言えます。
できるだけユーザー自身の力で使い方を理解し、頻度高くサービス、プロダクトを使ってもらえるように整えておくとよいでしょう。
▼セルフオンボーディングについて詳しく知りたい方はこちら
『セルフオンボーディングを実現するには?よくある課題や効果的な施策の見極め方法を解説!』
先述のようにテックタッチでユーザー自身で悩みを解決でき使いこなせることが一番いいことですが、ユーザーはプロダクトを利用していく中で、何かしらの問題や不満を抱えるケースが多いです。問題や不満が解消されない状態が続けば、サービスを解約されてしまうかもしれません。
そのため、サポート体制を整えることも重要です。
例えば、CS(カスタマーサクセス)に問い合わせができるCTA(Call to Action)を設けておくことで、ユーザーの利用頻度の低下、離脱などカバーできる迅速なサポートができるでしょう。
このように、スピーディーに分かりやすくユーザーをフォローできるような体制を整えておくこともとても大切といえます。
PLGの基礎知識について分かりやすく解説しました。
ぜひ当記事で紹介したPLGのメリットや具体例を参考にしながら、PLGに対する理解を深め、自社のプロダクトに活用できないか検討してみてください。
弊社がご提供する「Onboarding」は、PLGの実現に欠かせないオンボーディングをサポートするツールです。
エンジニアのリソースを使わず、ノーコードで簡単にチュートリアル、ヒントなどのガイドを作成することができ、ユーザー属性や利用状況の分析、データをもとにした施策を実行・改善といった、PDCAに必要な機能をワンストップで提供しています。
そのため、ユーザーがセルフオンボーディングできるようサポートするとともに、どこでつまずいたかを把握し改善施策を打てるため、ユーザーの離脱を防ぎPLGに役立てることができます。
PLGをこれから導入したい、改善したい方は、まずは是非以下の資料をお問い合わせください。
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