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2022年06月16日
ロイヤルカスタマーとは?重要性と育成にあたっての取り組みを解説!

BtoBにおけるロイヤルカスタマーとは?
BtoBのビジネスにおいて、「ロイヤルカスタマー」は事業の安定と成長を支える重要な存在です。
ロイヤルカスタマーとは、取引の金額や期間、頻度による売上への貢献度が高く、かつ企業ブランドや製品・サービスに対する忠誠心の高い顧客を指します。多くの企業において、ロイヤルカスタマーの獲得・育成は大きな課題です。
とはいえ、「顧客をナーチャリングしロイヤルカスタマー化する取り組みははじめてで、具体的に何をすればよいのかわからない……」とお悩みのカスタマーサクセス(CS)担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ロイヤルカスタマー育成の基本を知りたいCS担当者の方向けに
・優良顧客とロイヤルカスタマーの違い
・ロイヤルカスタマーの重要性
・ロイヤルカスタマー育成のポイント
以上の3点について解説していきます。
優良顧客とロイヤルカスタマーの違いは「顧客ロイヤルティ」
まずは、「ロイヤルカスタマー」の定義について基本を確認していきましょう。ロイヤルカスタマーと混同されがちな概念として「優良顧客」があります。
優良顧客は、一般的に「売上への貢献度が高い」顧客を指します。すなわち、契約の金額が大きかったり、継続的または頻繁に取引を行ってくれたりする顧客は優良顧客です。LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)が大きい顧客と言い換えてもよいでしょう。
※LTVについてより詳しく知りたい方はこちらの記事を参照してください。
一方、ロイヤルカスタマーはLTVが大きいだけでなく、顧客ロイヤルティが高いということがポイントです。具体的には、以下のような特徴があります。
・企業や製品・サービスに信頼を寄せ、強い愛着を持ってくれている
・簡単に競合他社へ乗り換えない
・製品・サービスを他社に勧めてくれる、良い評価を広めてくれる

ロイヤルカスタマーとは
優良顧客の中には、「解約するのが面倒」「他に良い代替プロダクトがない」などの理由で製品・サービスを使い続けているだけの顧客も含まれます。このような顧客は、契約更新のタイミングや競合他社の新製品リリースなど、ささいなきっかけで離脱してしまうことが少なくありません。
したがってより重要視すべきは、製品・サービスの機能や価格といった合理的な価値に基づいてだけでなく、企業やプロダクトへの信頼や愛着をもって契約をしてくれるロイヤルカスタマーです。
ロイヤルカスタマーを定義するための顧客ロイヤルティを測定するためには、NPS®(Net Promoter Score)という指標が有効です。NPS®では、「この商品やサービスを知人や同僚にどの程度勧めたいですか?」という質問に対して、0点から10点までの11段階で評価をしてもらいます。0~6点を「批判者」、7~8点を「中立者」、9~10点を「推奨者」と定義し、それぞれの割合から以下のとおりスコアを計算します。
NPS®スコアの計算式:推奨者の割合(%)- 批判者の割合(%)
※NPS®についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事を参照してください。
【NPS®向上】スコアの改善や顧客へのアンケート設計方法を解説
ロイヤルカスタマーを重要視すべき理由
CS活動においてなぜロイヤルカスタマーを重要視すべきなのか、具体的な理由についてチェックしていきましょう。
①顧客獲得コストの削減が見込める
収益を得るためには、大きく分けると2つの手段があります。一つは新規顧客を獲得すること、もう一つは既存顧客からの収益額を増やすことです。
もちろんプロダクトの特性や市場環境を鑑みて、両方をバランスよく行う必要があることは大前提です。しかしながら、一般的に新規顧客の獲得は難易度・コストともに高いことがほとんどです。したがって、新規顧客を一から開拓するより、ロイヤルカスタマーと良好な関係性を保つことで契約の継続、ひいてはアップセル・クロスセルにつなげるほうが効率的に収益を確保できる可能性が高いといえます。
加えて、ロイヤルカスタマーは製品・サービスを好意的な評価とともに周囲に紹介してくれることが期待できます。ロイヤルカスタマーの製品・サービスの導入事例を、マーケティングや提案活動に活用させてもらうこともできるでしょう。実際にプロダクトを利用した他社の成功体験の声は、導入を検討している顧客にとって大きな後押しになります。直接の売上だけではなく、ロイヤルカスタマーの存在が新規顧客の獲得にもつながるということは重要なポイントです。
②継続的な取引により売上が安定する
ロイヤルカスタマーは企業や製品・サービスに対して愛着をもってくれているファンであるため、簡単に競合他社に乗り換えることはありません。ロイヤルカスタマーとは継続的な取引が見込めるため、売上の安定につながります。
安定的な利益を得られて将来の見通しがつく状態になれば、プロダクトの新規開発や販路の開拓など、次の一手を打つための余裕が生まれます。ビジネスの成長のために収益の安定が重要であることは、言うまでもないでしょう。
③プロダクト改善につながるフィードバックが得られる
「ファンとしてぜひ機能向上に貢献したい」と思ってくれているロイヤルカスタマーであれば、企業からのユーザーインタビューやアンケートの依頼へ快く協力してもらえることが期待できます。
製品・サービスをヘビーユースしてくれているロイヤルカスタマーからの要望は、プロダクト開発において非常に有益な情報です。特にプロダクトの市場投入初期にあたっては、ロイヤルカスタマーを早期に獲得して課題を見つけ出すことが、今後多くのユーザーが不満を感じうる改善点を先回りして解消しておくことにつながります。プロダクトを使い込んでいるからこそ気づけるロイヤルカスタマー目線の意見を活用して、製品・サービスのブラッシュアップを図りましょう。
ロイヤルカスタマー育成のポイント
既存顧客をロイヤルカスタマーへナーチャリングしていくにあたり、抑えておくべき3つのポイントを紹介します。

ロイヤルカスタマー育成のポイント
①ロイヤルカスタマーの定義を明確にする
自社の扱う製品・サービスの特性や、ターゲット、ビジネスとして目指す目標によって、ロイヤルカスタマーの定義は異なります。
前述したLTVやNPS®といった指標の他にも、複数の観点から検討し「自社にとってのロイヤルカスタマー」を明確に定めましょう。
LTVやNPS®以外の指標としては、例えば以下のようなものが挙げられます。
・契約継続期間
・購入頻度
・購入金額・単価
・商品・サービスの利用頻度
・利用している商品・サービスおよび機能の数
・実際の顧客紹介の有無や回数
・自社イベント・コミュニティへの参加回数
②顧客とのコミュニケーションを増やす
企業や製品・サービスに対して愛着をもってもらうためには、まずは顧客との接点を増やす必要があります。顧客と継続的・定期的にコミュニケーションを取る機会を設けましょう。
とはいえ、やみくもに大量の情報を発信しても効果が見込めないどころか、かえって疎ましがられてしまい逆効果になってしまいます。コミュニケーションのチャネルやタイミングは、顧客のニーズを把握した上で決めることが重要です。顧客の属性や問い合わせ履歴・アンケート結果などを分析し、ニーズを見極めてコミュニケーションの量と質の両方を高めましょう。
③CX/UXの改善に取り組む
CXとはCustomer Experience(カスタマー・エクスペリエンス)の略であり、「商品やサービスの購入・利用の前後も含む、一連の顧客体験」のことです。
UXは、User Experience(カスタマー・エクスペリエンス)を略したキーワードです。CXに包含される概念で、「製品・サービスをユーザーが利用する際に感じる体験や感情」を指します。
※CX/UXについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事を参照してください。
カスタマーエクスペリエンス(CX)とは?今注目すべき理由と向上させるポイントを解説
よりよい顧客体験を提供することが顧客の満足度を高め、結果的に顧客ロイヤルティの向上にもつながります。逆に、製品・サービスの性能がいくら優れていても、契約の手続きやアフターフォローといったシーンで顧客体験を損ねると、ロイヤルティは低下してしまいます。特にBtoBの場合、製品・サービスの利用者と契約や運用の担当者が異なる場合も多いため、それぞれの持つニーズや課題を捉えた上で適切な体験が提供できるよう注意を払いましょう。
CX/UXの一部ではなく全体を捉えることがポイントです。一連の体験における各フェーズでユーザーが取るアクションや思考・ニーズを踏まえて、顧客ロイヤルティを向上させるために改善すべきポイントを明らかにしましょう。
まとめ
本記事では、BtoBビジネスにおけるロイヤルカスタマーの重要性や、既存顧客をロイヤルカスタマー化していく取り組みにおけるポイントを解説しました。
ロイヤルカスタマーは企業や製品・サービスを信頼し、強い愛着をもってくれている顧客です。ロイヤルカスタマーの数を増やすことで、直接の売上により収益を安定させることができるだけではなく、紹介をきっかけとした新規顧客の獲得やプロダクトの改善につながる貴重なフィードバックを得ることにもつながります。
自社にとってのロイヤルカスタマーをしっかりと定義した上で、顧客のニーズに即した適切なアプローチを行い、ロイヤルティ向上を目指しましょう。
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