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keyboard_arrow_right公開日:
2022/03/29
最終更新日:
2023/5/24
【DL資料あり】フリーミアム・フリートライアルとは?SaaSビジネスの無料施策を成功させるポイント
「フリーミアム」は、「フリー(free)」と「プレミアム(premium)」を掛け合わせた造語で、基本機能は無料で提供し、追加機能やより高度な機能などを有料で提供するビジネスモデルのことです。
有料プランとの差別化の例としては、次の4つが挙げられます。
快適に利用できる形で機能を活用できるようになってはいるものの、利用可能時間に制限をつけたり、使用できるツールに制限をかけたりするやり方です。
「もっと高度な機能を活用したい」というユーザーのニーズに有効です。
「機能」に制限をかけたフリーミアムの事例として最も有名なのはビデオ会議ツール「zoom」です。
他にも、グラフィックツール「Canva」などにもこういった手法がとられています。
機能面には制限をかけず、利用可能容量やデータ量に制限をかけるやり方です。
「便利なのでもっと容量が欲しい」というユーザーのニーズに有効です。
「データ量」に制限をかけたフリーミアムの事例としては、「dropbox」や「iCloud」などが例に挙げられます。
ユーザーのサービス利用にサポートをつけないというやり方です。
①や②での制限に加えて制限をかけるサービスが多く、「専門分野に詳しい人のサポートがないと使いこなすのが難しい」というユーザーのニーズに有効です。
「サポート」に制限をかけたフリーミアムの事例として有名なのは「Slack」です。
他にも、事前知識のないユーザーだけでは使いこなすのが難しい分析ツールなどにこの手法が取られている例が多いです。
無料ユーザーに対し、広告を表示するというやり方です。
「定期的に広告が表示されるのがストレスなので表示しないようにしたい」というユーザーのニーズに有効です。
「広告表示」という点で制限をかけたフリーミアムの事例としては、視聴サービスなどに特に多く、「YouTube」や「Spotify」などが例にあがります。
▼フリーミアム事例についてはこちら
『【事例6選】フリーミアムとは?メリットや設計のポイントを解説! 』
フリーミアムとフリー(無料)トライアルでは、費用が発生するタイミングや、ユーザーへの機能解放範囲が異なります。
フリートライアルは、期間限定で一部、あるいはすべての機能を無料で解放しますが、契約と同時に費用が発生するビジネスモデルです。
フリーミアムとフリートライアルの違いをまとめたのが、以下の表です。
それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、提供したいサービスにとって、効果的な手法を選びましょう。
フリートライアルとフリーミアムの特徴
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『アップセル・クロスセルとは?意味や違い、顧客単価を向上させる方法を解説!』
フリーミアムモデル・フリートライアルモデルを活用することで、サービス提供側には以下のようなメリットがあります。
フリーミアムモデル・フリートライアルモデル共に、無料で利用開始できるため導入へのハードルを低くすることができます。
「まずは使ってみる」という形でユーザーの獲得がしやすくなり、ユーザー数の拡大に繋がります。
フリーミアムモデル・フリートライアルモデルでは、導入ハードルが下がることで、そのサービスを手に取ってくれるユーザーの「数」だけでなく「層」も広がります。
「無償利用」によって、まだ開拓できていなかった業界や企業のニーズを汲み取ることが可能になります。
これにより、ユーザーのニーズを満たす追加機能の開発に活用することができ、ユーザーを有償利用に繋げることへの可能性が広がります。
フリーミアムモデル・フリートライアルモデルを採用することで、ユーザーの母数や層が広がることから、「拡散母体」も大きくなります。
拡散母体が大きくなればなるほど、サービスの口コミが広がりやすくなります。
総務省のデータによると、どの年代でも6割以上の人が口コミを参考に判断をするといわれています。
とりわけ、オンライン上での口コミは、約8割の人が判断の参考にしているというデータもあります(※1 クロス・マーケティング調べ)。
このように、多くの人が活用していたり、SNSなどで話題にしているツールは新たな顧客の獲得に大きく貢献します。
多くの企業が直面し、苦戦する課題が「ユーザーの獲得」です。
フリーミアムモデル・フリートライアルモデルは無料利用が可能という点でユーザーの獲得には向いていますが、全ユーザーが課金契約に移行しなければそのサービスは収益を生むことができません。
しかし、無料利用によってユーザーに対し「使ってみて便利だった」という成功体験を提供することができれば、競合サービス・ツールに差別化を図ることができるだけでなく、「このツールであればお金をかけてもっと活用したい」と有料での導入に繋げることができます。
▼ユーザーの成功体験をつくるオンボーディングについてはこちら
『オンボーディングとは?SaaSカスタマーサクセスオンボーディングのメリット』
フリーミアムモデル・フリートライアルモデルには上記で挙げたようなメリットがありますが、デメリットもあります。
これらの無料施策を活用すべきか、注意点をしっかりと理解した上で、提供したいサービスにとって最適な手法を選びましょう。
フリーミアムは、基本機能を無料で提供しているため、課金するユーザーを獲得できなければビジネスとして破綻してしまいます。
しかし、フリーミアムという考え方を提唱したクリス・アンダーソン氏によると、全ユーザーの5%が課金ユーザーであれば、ビジネスとして成り立たせることができると言われています。(参照: Anderson, Chris『Free: The Future of a Radical Price』)
フリートライアルの場合も当然、無料期間中のサービス提供にはコストが発生します。
課金契約への転換がうまくいくまでは、その投資を回収することができません。
長期的目線でのビジネス設計が可能であるならば、フリーミアムモデル・フリートライアルモデルは適合するといえますが、短期間で業績をあげたい場合などにこれらの無料施策は向かないかもしれません。
フリーミアムは、制限の程度の見定めが非常に重要です。
サービスに制限をかけすぎてしまうと、「このサービスは使いにくい!」と満足度を下げてしまい、ユーザーの離脱に繋がってしまいます。
しかし、多くの機能を無料解放してしまうと、「フリープランで不自由ないのでそのままでいよう」と課金ユーザーの獲得のチャンスを逃してしまいます。
フリートライアルの場合も、適切な無料利用期間の設定をできるか否かが課金契約促進の成否を分けます。
これらの無料施策を活用するのであれば、提供したいサービスやツールの特性をしっかりと分析し、「どこまでは解放し、どこからは課金制にするのか」「トライアル期間を何日間にするのか」をしっかりと定義しましょう。
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ここからは、具体的にフリーミアムモデルが向いているといえるサービスの特徴を紹介します。
インターネット上で完結するサービスなどの無形商材は、「モノ」によるコストがほとんどかからないため、量産が容易にできることが特徴です。
フリーミアムで基本機能を無料で提供しても、有形商材に比べて損失が抑えられます。
生産コストやサポートにかかる人件費は重要なコストなので、コストを抑えられる無形商材のビジネスはフリーミアムに向いているといえます。
サブスクリプションサービスは、「買い切り」「使い切り」ではなく「継続利用」が前提となるサービスです。
サブスクリプションサービスは、「長く使うなら便利に使いたい」と考えるユーザーを囲い込むことができる点でフリーミアムに向いているといえるでしょう。
また、一度に大きな投資が必要なオンプレミス型に対し、サブスクリプション型は1回あたりの支払い金額が大きくなく、うまく活用できなかった場合には解約することができる気軽さも、フリーミアムが向いている要素だといえます。
市場規模が大きい分野でのサービスもフリーミアムに向いています。
類似サービスの提供者が少ない独占市場の場合は、比較対象となる競合がいないため、無料トライアルを実施し顧客の獲得を目指したとしても、顧客の確保は可能です。
しかし、市場規模が大きい寡占市場の場合、ユーザーがサービスを導入するにあたって検討する競合が存在するため、フリーミアムを活用し、一度使ってみてもらうことで、「これに慣れたからこれを使おう」と競合サービスに差別化を図ることができます。
新しい概念が取り入れられているものや、実際に画面を見ることで理解を促せるサービスの場合、「便利なことはわかるが使うイメージが湧かない」という理由でユーザーが離れてしまう可能性があります。
フリーミアムで基本機能を無料開放することで、ユーザーが実際にサービスに触れる機会を作り、顧客の成功体験を演出し、ユーザー獲得に繋げることができます。
▼SaaSのオンボーディングについてはこちら
『SaaSのカスタマーサクセスにおけるオンボーディングとは?重要ポイントや成功事例をご紹介!』
フリーミアムモデルを成功させるためには、以下のポイントを意識するとよいでしょう。
フリーミアムを取り入れる際、課金をした時のメリットに比重をかけすぎて無料プランの満足度を著しく下げてしまうと、サービス自体の満足度も下がってしまい、ユーザーの離脱に繋がってしまいます。
無料プランでのユーザーの成功体験も担保できるような状態を目指しましょう。
前項ではフリーミアムにおける無料プランでのユーザーの成功体験の重要さを挙げましたが、同様に、有料プランに切り替えた際のユーザーのメリットも明確に定める必要があります。
無料プランと有料プランの棲み分けをしっかりと行うことが重要です。
フリーミアムモデルを導入するのであれば、ユーザーが有料プランに移行したいと感じた時、簡単にプランの切り替えが可能になるようにしましょう。
プランの違いを明確にしたり、クレジットカードの登録によりスムーズな決済を可能にしたりするなど、UIの設計に工夫が必要です。
ユーザーが有料プランに切り替える作業にストレスを感じてしまうと、プランの切り替えを断念してしまったり、サービス自体からの離脱に繋がってしまったりする可能性があります。
フリーミアムモデルでは、機能やサポート体制に制限をかけ無料で提供しているため、その状態でもユーザーの満足度を担保するために、人的サポートがなくてもユーザーが簡単にサービスを利用でき、自走できる状態にすることが求められます。
「フリーミアムモデルが向いているサービスの特徴」でも述べましたが、人件費は重要なコストの1つです。
人的なサポートがなくても、ある程度ユーザーに価値を感じてもらえるような準備を行うことが重要です。
オンボーディングツールなどを活用し、効果的にユーザーをサポートできる環境を構築しましょう。
フリートライアルモデルが適しているのはどういったサービスなのでしょうか。
3つの特徴を解説します。
フリートライアルの前提となる「期間を限定した無料提供」がしやすい仕組みのサービスであるか、という点は重要なポイントです。
例えば、SaaS型のサービスなどは向いているといえます。
サービスの提供開始・利用開始に大きなリソース・コストが必要となる場合、企業側も顧客側も無料利用によってかえって損をしてしまいかねません。
サービスの利用料が高額であればあるほど、慎重に投資対効果を精査した上で導入を進めたいものです。
フリートライアルでは、サービスの実際の使い勝手や機能を無料で確認できます。
実際のサービス利用体験は投資対効果予測の有効な材料となり、高額なサービスの導入判断を後押しすることにつながります。
フリートライアルでは、無料期間終了後にいかに課金契約へシフトしてもらうかが大きな課題です。
有料化を促すアプローチが必要となるため、セールス活動への投資を行ってもペイできる比較的高単価なサービスが適しています。
▼顧客単価についてはこちら
『SaaSの重要指標CAC(顧客獲得費用)とは?計算方法やLTVとの関係性を解説!』
フリートライアルモデルを成功に導く3つのポイントについても、解説します。
課金契約への移行を促すために、サービスの特性に応じた最適なトライアル期間の設定が必要です。
特に機能の複雑度が高いサービスの場合、要注意です。
ユーザーがサービスを理解し価値を感じる前に無料期間が終了してしまうと、有料化へのモチベーションは失われてしまいます。
課金契約への移行を促すセールス担当の働きかけも重要なポイントです。
トライアル期間で十分サービスが理解できたか・困りごとはないかといったフォローアップや、本契約にあたり対応が必要な事項のサポートなど、ユーザーの課金契約を後押しするアプローチが求められます。
課金契約へ移行したユーザーにどのような傾向があるかを捉え、その結果からサービス自体やユーザーへのアプローチ手法の改善を行うことで、有料化率を向上させましょう。
対象ユーザーの属性や、無料期間中のサービスの利用頻度や利用している機能、よくある問い合わせ内容などさまざまなデータから、特に重視すべきターゲットユーザーや実施すべき施策のヒントを得ることができます。
この記事では、フリーミアムモデル・フリートライアルモデルの特徴や運用のポイントといった基本について解説しました。
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株式会社STANDSでは、2021年7月にB to B SaaSのフリートライアルプランに焦点を当て、カスタマーサクセス担当者やプロダクトマネージャーを対象にサービス提供社におけるユーザー利用促進の課題と、ユーザーから見るウェブサービスの価値評価を調査しました。
【この資料で分かること】
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