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公開日:
2023/09/21
最終更新日:
2025/10/8
SaaSのプライシング戦略とは?料金体系や価格設定の方法を解説


STANDS編集部
日々の業務で活用いただける実践的なフレームワークや、知っておきたいSaaSのトレンドワード・キーワードの解説、CS業務改善のためのヒントなどをお届けいたします。
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プライシングとは、需要や他社や競合の価格を参考に価格を設定することです。特に分析や調査に基づいて計画を立てることをプライシング戦略と呼びます。プライシングによって価格を見直すことによりユニットエコノミクスの向上も見込めるため、近年注目されています。
この記事では、SaaSのプライシング戦略における料金体系や価格設定のプロセスを紹介します。
また弊社のOnboardingは、WEB上でユーザーを導くガイドやポップアップを表示できるノーコードツールです。SaaSのLTV改善やテックタッチ施策をお探しの方は是非お気軽に資料をダウンロードください。

SaaSのプライシングは、LTVやCACといった経営指標に有効であるため重要視されています。
英PADDLE社の調査によると、新規顧客獲得・顧客の維持・価格改定の各戦略に1%の見直しをすると価格設定により12.7%の利益改善の効果が得られたそうです。
▼1%の見直しで得られる利益改善効果
・アクイジション(新規顧客の獲得)・・・3.32%
・リテンション(顧客の維持)・・・6.71%
・プライシング(価格設定)・・・12.7%
(参考:成長に関する10,342のブログ投稿からの教訓 (profitwell.com))
利益獲得にプライシングは重要ですが、特にプロトタイプとなる方法論がないため悩む事業者も多くいます。そのため近年では海外ベンチャーキャピタルによって、価格設定の海外の事例や組み立て方の共有もなされており、注目度が高い分野です。
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SaaSのプライシング戦略を考えるには調査や分析が必要ですが、プライシングに重要な3つの視点を紹介します。
自社の製品やサービスの原価に利益を上乗せして価格を決める方式です。従来の製造業などで一般的な方法で、SaaSの場合はサービスを提供するまでにかかったコストなどから算出します。
競合企業の価格水準から自社の価格設定を検討する方式です。
顧客が自社に感じている価値を基準にして価格設定する方式です。サービスを利用している顧客の感じる価値を図り継続的な利益を得る、サブスプリクション型ビジネスと親和性が高いため、注目されています。
SaaSのプライシングでは上記3つの視点を交えて料金水準を設定します。
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SaaSのプライシングのゴールは、料金体系と金額を設定することです。料金体系を組み合わせて、自社にあった価格を決定します。中でも基本的な料金体系を4つ紹介します。
定額制課金とは、利用料や利用者に関係なく月ごとに定額を支払う料金体系で、NetflixやSpotify、Amazonプライムなど多くのサブスクリプションが採用しています。
<特徴>
安定的な利益を見込むことができ、新規顧客を獲得しやすい料金体系です。頻繁に利用するユーザーにとっても利便性を感じやすい一方で、一部のサービスしか使用しないユーザーにとってはコストに不満を感じる可能性もあります。
従量課金制とは、サービスの利用料によって加算される課金体系です。利用料が増えると料金も増えます。サービスを利用するユーザー数によって課金される形態や、サービスの使用量によって課金される形態があり、近年はAIサービスにも広まりを見せています。従量課金制の例はユーザー数課金ではSalseforceやMicrosoft 365、使用料課金ではZoomやJasperなどがあります。
<特徴>
使用料によって課金されるため、ユーザーに納得感が得られやすい特徴があります。ただし、ユーザーが利用を制限する可能性があるため、得られる利益の予測が立てづらいというデメリットもあります。
階層制とは、ユーザーの利用数ごとにプランを分けて料金を設定する料金体系です。ユーザーをセグメントに分け、セグメントごとに使用できる機能を設定して料金プランを設定します。階層型には主に以下の3種類をベースにしたものがあります。
・ユーザー数ベース:使用するユーザー数によりプランを設定
・機能ベース:ユーザーが利用可能な機能によりプランを設定
・ストレージベース:ユーザーが利用するストレージ量でプランを設定
階層制モデルはSaaSでは一般的な料金体系として知られており、多くは3-4種のプランが提示されています。
階層制の例は、音声会議・ビデオ会議の接続数によりプラン設定があるGoogle Workspaceや、個人やビジネスに対応した機能を設定したSlackなどがあります。
<特徴>
幅広いユーザーニーズに対応しやすく、ユーザーの利用料が増加することでプラン変更による利益拡大が見込めます。その反面、提示プランが多くなるとユーザーが複雑で理解しにくくなり、敬遠されやすくなります。
フリーミアムとは、無料プランと有料プランの2つに分かれており、基本機能は無料で提供し、追加機能やデータ容量などを有料で提供する料金体系です。
<特徴>
顧客が無料でサービスを利用できることから、導入ハードルが低く新規顧客を獲得しやすいことが特徴です。サービスの満足度が高ければ有料プランへの移行も検討しやすいため、有料プランへの変更にもつながりやすいでしょう。また、口コミなどでサービスの認知が広がることが期待できます。
一方、無料プランでの提供の間もコストがかかるため、適切な無料での制限期間の設定が必要です。また、利用できる機能が少ないと顧客が離れ、多すぎると無料で使用され続けるため、プランの機能制限も考慮しなければいけません。そのため利益化に向けて最適な制限を設けることが重要になるでしょう。
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SaaSのプライシング戦略は先述のようにコストとリソースを割くことで利益率が一番高く、費用対効果が高いこともあり、体制を整えて検討することが大事です。実際のプライシングは以下のような流れで行います。
①戦略目標を設定する
➁ポジショニングを考える
③料金体系を決める
④価格設定と検証をする
それぞれについて、詳しく説明します。
まずはチームを作って、プライシングの戦略目標を設定します。
SaaSの料金設定は、社内の利益に深く関係します。そのため、経営者や意思決定者など、まずは役割を決めてチームを構築しましょう。役割の例としては、以下のようなものがあります。
・オーナー:価格設定の意思決定者
・リーダー:各部門のメンバーの調整役
・メンバー:プライシングに必要なデータの調査や分析などを行う各部門の担当者
体制を決めると、戦略目標を決めます。まずは経営指標と合わせて「目的」と「ターゲット(顧客)」を明確にします。短期間での売り上げ成長・市場のシェアの拡大など、目的を決めて指標を定め、どのような顧客層に売るかを検討しましょう。
ポジショニングとは、顧客にどのような価値を提供するのかを明確にして自社のサービスが市場のどの位置にいるかを明確にすることです。
機能は一般的だが市場の中でも低コストに位置する、充実した機能を提供する、業界をリードする先進的なサービスを提供するなど、価格と顧客に提供する価値を検討し、自社ブランド(顧客からどう見られたいか)を決定します。
ポジショニングの際には、どのように顧客のニーズと合致し、競合と差別化できるかが重要になります。
次に、料金体系を決めます。上記で紹介した料金体系から自社に適したプランを検討します。
具体的には、「どのような顧客にどのような価値を提供するか」を検討しましょう。顧客をセグメントに分け、それぞれの顧客層の課題やニーズを調査・分類します。ターゲットの顧客セグメントにどのような価値を提供できるかを整理し、料金体系を組み合わせることで料金プランを決定します。
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料金体系が決まれば、適正価格を算出します。適正価格の算出の方法は、主に3種類あります。
●PSM分析
PSM分析は、価格感応度分析と呼ばれ、顧客のサービスへの支払い意欲を調査する方法です。SaaS企業でも多く使用されている方法です。
一般的にはアンケートを実施しますが、直接的に「どのくらい支払えるか」を聞くと、顧客心理の影響で低い金額を答えがちになります。
そのため、間接的に以下の内容を質問し、回答を分析します。
・高いと感じる価格
・安いと感じる価格
・サービスを利用する上限価格
・サービスに不安を感じる最低価格
回答をもとに「顧客の割合」と「価格」を軸にして4本のグラフを作り、交点を分析すると顧客がサービスを利用する意思がある価格範囲が分かります。
●EVC Analysis
EVC(Economic Value to the Customer)とは、「顧客にとっての経済的価値」という意味で、競合にはない自社のサービスの付加価値を加算して提供した場合に、その経済的負担を差し引いて顧客がサービスによって得られる価値のことです。
EVCは以下のように計算できます。
EVC=(競合サービスの価格)+(自社サービスの付加価値)
自社サービスの付加価値は、「サービスによってどれくらい売り上げが上がったか」「サービスによりどれだけコストが削減されたか」などを加味します。
ただし、EVCを単純に計算すると、顧客にとって支払える最大の金額となるため、実際には値下げをして価格を決定することになります。値下げの方法には顧客の心理なども影響するため見積もることが難しく、頭を悩ませる事業者も多くいます。
●Split Testing Pricing
Split Testing Pricingとは、顧客に提示するサービスの金額を変化させることで購入数や収益の変化を図る方法です。
一般的なスプリットテストは、A/BテストなどWEB業界でサイト表示を変更することで変化を図ることで調査されていますが、SaaSのSplit Testing Pricingでは価格を変化させることで購入数や売り上げの変化を調査します。
上記の方法や、または自社の適正によっては別の方法をとるなどをして適正価格を算出しましょう。価格設定後は定期的に戦略目標の指標について検証します。
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SaaSのプライシングは、設定価格が安すぎても顧客に信頼されず、高すぎても顧客に利用されづらいと難易度が高く感じるかもしれません。また、SaaS市場は変化が激しいことから適正価格も変化するため、定期的なプライシングの見直しが必要です。
ここでは、SaaSのプライシングのポイントを紹介します。
SaaSのプライシングは適切なタイミングで見直しが必要です。通常、年に1度ほど見直しをしている企業も多くなります。また、事業フェーズでの見直しは重要です。事業フェーズについては以下のように3種類あります。
①サービス立ち上げ期(スタートアップ)
まず立ち上げ期は、サービスを提供したばかりのため、複雑な価格設定は避けたほうがよいでしょう。シンプルで分かりやすい料金体系を設定し、広くサービスを受け入れられるようにします。
②成長期
成長期は、どの顧客セグメントに受け入れられるかが判明しています。料金体系を見直し、より幅広いセグメント層のニーズに対応できるようプライシング戦略を見直しましょう。
③安定期
安定期はサービスの機能も充実し、広く顧客に提供できている状態です。このフェーズではプライシングの最適化を検討します。顧客セグメントのペルソナごとに、アカウント数、ストレージ量など重要となるニーズを価値指標とします。必要分が不足していれば増やし、多ければ減らすといったように過不足を見直しプライシングします。
各フェーズごとや新機能の追加の際などに定期的に見直しましょう。
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SaaSのプライシング手法に関しては、一般的にバリューベースプライシングが有効と言われています。中でも米国を中心に広がりがあるのがEVCをベースにしたプライシングです。EVC計算をすることで、以下のようなメリットがあります。
●顧客のセグメントが分かる
適切なEVCの計算により、どのセグメントに対して利益向上が見込めるか、あるいは収益が見込めないかなどが分かります。そのため、セグメント層の見直しが図れます。
●コホート分析に利用できる
プランごとに顧客のEVCの分析結果をもとに分類することで、KPIの指標を確認できます。
ただし、顧客の価値を図るためには大量のデータが必要で、調査に関しても専門的な内容となるため時間がかかります。特にスタートアップのフェーズでは分析データも不足しているうえ、リスクも生じます。そのため、フェーズ毎や自社サービスによって、最適なプライシング手法を選択しましょう。
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この記事では、SaaSのプライシング戦略について、料金体系や価格設定のプロセス、ポイントを紹介しました。自社のサービスの特性や事業のフェーズを踏まえて検討し、利益アップの参考にしていただければ幸いです。

本記事ではSaaSのプライシング戦略についてご紹介しましたが、特にSaaSサービスではフリーミアムやフリートライアルを設定することが多いと思います。プロダクトのトライアル期間中は、すぐに価値を実感できること、ユーザーが自走できるためのサポートなど「プロダクト体験」が非常に重要となります。
また弊社のOnboardingは、WEB上でユーザーを導くガイドやポップアップを表示できるノーコードツールです。わざわざマニュアルを読みに行かずとも、実際の画面上で使い方をサポートすることができるため、ユーザーが自身の力でプロダクト、ツールを使いこなせるようになり、その成功体験が継続契約にもつながります。
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