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Muto Haru
WEBプロダクトの新規事業立ち上げ、DX推進、WEBサイト運用や広告などデジタルマーケティング歴10年以上。 ノーコードSaaSツール「Onboarding」マーケティングチームメンバー。
ナレッジトランスファーとは、知識の移転を意味します。特定の知識を持つ人から、その知識を求めている人に伝達することです。Knowledge Transferの頭文字を取って「KT」あるいは「ナレトラ」と呼ばれることもあります。単純にある社員の知識を別の社員にも共有するだけでなく、そのナレッジが企業内で有効活用され、蓄積されることも含みます。最終的にナレッジを企業の資産とすることを目指すのです。
ナレッジトランスファーによって、業務の改善や生産性の向上も実現できます。また、ナレッジを持った特定の社員の異動や退職時に、企業として対応できる体制の構築も可能です。そのため、企業として競争力を維持するためにも、ナレッジトランスファーの仕組みを持つことが必要とされます。
この記事では、ナレッジトランスファーの概要やメリット、そして推進方法と推進時のポイントも解説します。ぜひ自社でのナレッジトランスファー体制の構築と運用にお役立てください。
ナレッジトランスファーの対象となるナレッジには、「暗黙知」と「形式知」の2つがあります。
暗黙知は個人が主観的に持っている知識を指します。経験や勘なども含まれ、言語化が難しいことが特徴です。暗黙知を伝達するためには、業務の実践や、時には業務外でのコミュニケーションが必要となる場合もあります。
形式知は、文章・計算式・図表などで明示できる知識を指します。客観的かつ論理的に説明できるため、マニュアルや教材の形にすることも可能で、伝達しやすいことが特徴です。
また、ナレッジトランスファーの効率を上げるため、暗黙知を形式知に変換することも目指されています。
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ナレッジトランスファーと似た概念に、スキルトランスファー(Skill Transfer)があります。スキルトランスファーは、技能や技術を社内で共有することです。ナレッジトランスファーの方が、知識やノウハウも含むとされる場合が多いため、より広い意味合いを持っています。また、スキルトランスファーが個人間での伝達に使われることが多いのに対して、ナレッジトランスファーは組織全体でナレッジを活用するという考え方も含みます。
ただし、ナレッジトランスファーとスキルトランスファーとの使い分けは、企業や組織によって異なります。また、技術を伝える際には、知識やノウハウも同時に伝達する結果となることがほとんどです。そのため、ほとんど同じ意味で使われることもあります。
ナレッジトランスファーを推進することで、企業と社員の双方が多くのメリットを得られます。ここでは、ナレッジトランスファーの活用で得られる主なメリットを3つ紹介します。
ナレッジトランスファーは、組織全体でのナレッジ共有とノウハウ蓄積を進めるために重要です。社員の退職や異動によって、個々人が蓄積していたナレッジが失われるリスクを軽減できます。
また、知識豊富なベテラン社員や優秀な社員から、他の社員へのナレッジ移転を継続することで、ナレッジが個々人のものから組織のものへと変わります。そして、ナレッジトランスファーを通じて形式知化された知識や技術は、企業にとって重要な資産になります。個人の持っていたナレッジが、組織全体のナレッジとして活用されるようになるのです。
ナレッジトランスファーは社員のスキルアップとキャリア開発にも重要な役割を果たします。まず、社員は社内に蓄積されている業務知識や技術を習得できます。それによって、社員は自らの能力を高められます。そして次に、得たナレッジを他の社員に伝達することで、さらに理解を深め、新たな視点やアイデアを得ることも可能です。
このように、ナレッジトランスファーが組織内で繰り返されることが、社員のスキルアップにつながります。社員は自分自身のキャリア形成ができるとともに、ナレッジを教えてくれた社員をロールモデルとすることも可能です。
ナレッジトランスファーは、経験豊富な社員が持つノウハウやベストプラクティスを、社内に広く共有するものです。組織全体の知識や技術が均質化されるとともに、底上げされる結果となります。そのため、業務効率が向上するのです。
成功事例がわかっているので、意思決定のスピードが上がります。また、失敗事例も共有されているため、問題を解決する際にも対応が早まります。さらに、ナレッジトランスファーを繰り返すうちに、作業工程が整備され、無駄な作業は省かれるという効果もあります。そして、蓄積されたナレッジのマニュアル化と、その情報に誰もが簡単にアクセスできる体制の整備によって、人材育成コストも圧縮できます。
これら多くの効果により、ナレッジトランスファーは企業全体の競争力も向上させるのです。
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ナレッジトランスファーの方法は、連続移転・戦略移転・近接移転・遠隔移転・専門知移転の5つに分けられます。それぞれについて説明します。
戦略移転は、発生頻度の低い業務の経験から得たナレッジを社内で伝達して、他の社員やチームが活用できるようにするものです。例えばM&Aのような、まれにしか行われない戦略的業務が該当に関するナレッジがします。あまり経験することがなく、次にいつ行われるかわからないような、特殊な業務です。
発生することが少ないものの、いざ発生した際には社内に経験した人が少ないため、ナレッジトランスファーが有益なのです。特殊な業務であることが多いため、その分野のスペシャリストがナレッジの収集と整理、形式知への変換を行うことが推奨されています。
連続移転は、特定の人やチームが行なった業務を、同じ人やチームが再度行う際に活用するための方法です。同じ人たちが担当するため、厳密にはナレッジトランスファーとは言えない部分もあります。しかし、暗黙知を形式知に変換してチーム内で共有することで、ナレッジをブラッシュアップし、業務効率を上げるために必要なものです。
また、失敗からも得られるナレッジがあるため、隠すことなく収集することが大切です。ナレッジを収集するためのミーティングの際は、失敗を批判することなく、活かす方法を検討しましょう。
近接移転は、頻繁に発生する定型的業務を、同様の業務を担当する他の社員やチームに伝達する方法です。マニュアル化された業務やルーティンワークが多くなるため、対象のほとんどは形式知にすることが比較的簡単です。
このナレッジトランスファーにより、同じような業務を担当する他部署の社員にノウハウを伝えたり、部署異動や担当者の交代に伴う業務の引き継ぎがスムーズになります。また、伝達するナレッジを集約することで、業務効率をあげたり、無駄な作業を省いたりすることにもつながります。
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遠隔移転は、頻繁に発生するものの非定型的で形式知にしにくい暗黙知を対象とするものです。同じような業務を担当する別の社員やチームにナレッジを伝えるのですが、暗黙知なので比較的難しくなります。
暗黙知は文章や資料で伝えるのが難しいため、伝えるべきナレッジを持った社員が、その情報を求めている社員やチームと実際に接することが一般的です。実践的に業務を行いながら、ナレッジを伝達するのです。
ナレッジトランスファーの過程で、元々ナレッジを持っていた社員が、移転先の社員やチームと双方向的なやりとりを行います。そのため、双方に新しい発見が生まれたり、ナレッジのブラッシュアップに至ったりという効果も期待できます。
発生する頻度が低く、定型的な業務を対象とするのが専門知移転です。特殊なため専門性が高いものの、形式知になりやすいナレッジが多い分野です。
スペシャリストが扱うことが多いため、社内で属人化しやすい業務でもあります。属人化するとナレッジトランスファーがしにくくなるので、伝達する側とされる側が質疑応答できる場を設けるのが効果的です。
また、発生頻度が低いため、外注を利用することもある業務分野でもあります。その場合には、次に発生する時に備えて、業務の遂行だけでなくナレッジのまとめと共有までを依頼するのがおすすめです。
ナレッジトランスファーの活用は企業にも社員にも有益ですが、導入や推進が上手くいかないことも少なくありません。ナレッジトランスファーを進めて社内に浸透させるためのポイントを見てみましょう。
ナレッジトランスファーを浸透させるためには、経営層が主導することが必要です。経営層が積極的に関わらないと、組織全体で取り組むことができません。全社を上げてナレッジ共有の文化を広めるつもりで取り組みましょう。経営層からのメッセージ、社内報での紹介、グループウェアなどを利用して繰り返しメッセージを発することなどが有効です。
また、ナレッジトランスファーを先導するリーダーを置くのも効果的です。リーダーはナレッジトランスファーを率先して実行するだけでなく、環境やツールの整備も担います。
ナレッジトランスファーは、社内のナレッジを収集し蓄積するだけでは進みません。そのナレッジを活用し移転しやすい環境を整える必要があります。ナレッジを求めている人が簡単にアクセスでき、使えるようにしてください。
ナレッジを活用する方法を説明し、マニュアル化して、全社員が積極的に触れるようにします。その際、ナレッジトランスファーの重要性や社員にとってのメリットを説明することも効果的です。
ここで言うデジタルトランスファーに必要なコストとは、企業が費やす金銭的なコストではありません。ナレッジを持つ社員がそのナレッジを共有し、活用するためにかかるコストです。
社員はそれぞれ日常的な業務を抱えています。その業務と並行してナレッジの共有を行うためには、心理的・時間的なコストを減らす必要があるのです。
ナレッジの洗い出しや登録に関するコストの高さを感じる社員のために、経営層や推進者がナレッジ共有の文化を深層させることが大切です。また、可能な限り手間をかけずにナレッジを共有できるツールやテンプレートの準備も有効です。
ナレッジトランスファーを直接的に担当する社員や、移転する対象の範囲を決めることもポイントのひとつです。
担当者が積極的に実践し、周囲にもナレッジの共有を要請することで、継続的な推進が可能になります。社員全体に対して説明するだけでは、いつの間にか放置されてしまうことがほとんどです。
また、伝達するナレッジの範囲を定めて周知することで、その領域のナレッジを持っている人が共有しやすくなります。自分が担当している業務の内容は、その担当者にとっては当然のものと感じられることも多く、あえて共有すべきものと思われないのです。そこで、どのようなナレッジが求められているかを示すことが重要です。
せっかく社内から収集したナレッジも、効果的に活用しなければ無駄になってしまいます。そのためには、ナレッジを蓄積するだけでなく、多くの人が活用できる体制を整える必要があります。
社内のデータベースにまとめる、アクセス性や検索性を高める、一元管理して最新の状態を保つ、といった運用方法を定めましょう。社内の既存のツールを使う他、ナレッジトランスファーに特化した専用のツールを導入するのもおすすめです。
ナレッジトランスファーとは、知識の移転を意味します。社内で特定の人だけが知識を持っている状態を是正して、その知識を求めている人に伝達し、社内全体の資産とすることを指します。その結果、業務効率の向上や、社員のスキルアップにつながり、多くのメリットが得られます。
しかし、ナレッジトランスファーは、特に暗黙知については実行が難しい面もあります。継続して進めるためには、経営陣が関わる全社的な取り組みが必要です。可能な限り社員がナレッジを共有するためのコストを下げ、蓄積されたナレッジを活用できる体制を整えましょう。
ぜひ自社の企業の競争力を強めるためにも、積極的なナレッジトランスファーを推進してください。
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