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keyboard_arrow_rightSTANDS編集部
日々の業務で活用いただける実践的なフレームワークや、 知っておきたいSaaSのトレンドワード・キーワードの解説、 CS業務改善のためのヒントなどをお届けいたします。
今回のゲスト プロフィール
丸田 絃心さん
レクシエス株式会社 代表取締役社長
CSカレッジ(カスタマーサクセスカレッジ)代表
外資系投資銀行、広告代理店、人材/組織コンサルを経て、AIスタートアップでカスタマーサクセス(CS)の責任者を経験。フリーランスのCSコンサルタントとして独立を経て、2022年にレクシエス(株)を創業。これまでにCSの多数の講演や外部顧問、Newspics+dでの連載や大学の非常勤講師などを歴任。日立アカデミー様やビジネスブレイクスルー(BBT)様でCS研修講師も務める。CSの普及と支援を使命に5,000人弱規模のCSコミュニティ「CSカレッジ」を主宰。日本最大級のCSカンファレンス「BRIDGE」やCS施策コンペ「CSカレッジアワード」などを開催。慶應義塾大学 卒業。
ウェブサービスの「ユーザー定着」をテーマにした本企画。
第三弾は、第二弾に引き続き、CSコンサルタントとして活躍される、レクシエス株式会社代表取締役社長、兼CSカレッジ代表の丸田さんにお話しを伺いました。
丸田さんは、直近AIスタートアップでカスタマーサクセス(CS)の責任者を経験ののち、CSコミュニティの立上げや、様々なサービス提供事業者のCSコンサルタントとして従事。
様々な事業/サービス/組織を支援する中で見えたCS組織の発展に必要なことについて、お話を伺いました。
▼前編はこちら
『最適なCS戦略を策定するために必要な、自社サービスの特徴の捉え方とは』
セールスで言うとイネーブルメントとか営業企画とかにイメージは近いと思います。CS Opsの活動を大きくまとめるとこの7つかなと思います。
①お客様に対してプレゼンをする資料や、FAQなどのコンテンツ開発・整理
➁プロダクトフィードバックなどCSと他部署のやり取りを深める、組織間の連携強化
③CSの業務効率高めるためのシステム整備・導入
④CSの大枠の方針を作る、戦略策定
⑤CS人材が誰でも同様の成果を出せるような業務の型を作る、業務標準化
⑥お客様やCS活動などに関する様々な情報をCSの活動や成果に活かせるようにするためのデータの整備・分析
⑦入社後のCS人材がいち早く独り立ちして成果を出せるようにするための必要な情報共有や、知識・スキルの強化など、CSの人材育成
特に⑦人材育成はCSに限って言えば日本ではまだ特筆すべき成功事例があまり出てできていないですが、海外ではかなり力を入れているケースが多いです。CSの業務を型化してコンテンツに落とし、入社したCSがすぐに成果を出せるように教育する仕組みがあるなどでしょうか。日本は会社やサービス、CS組織の説明資料は整っているものの、CSの具体的な業務周りはOJTがほとんどというケースが多いです。これにより、属人化や本来は回避可能な労働集約を生んでしまうこともあると思います。
すべて支援の範囲には入ってますが、人材育成を依頼されることは少ないですね。人を育ててどう成果が出るのか短期的にはわかりづらい部分もありますし、その余裕がないということなのでしょう。逆に、よくご要望いただくのは、まずデータ整備・分析、戦略策定、業務標準化を進めたいといったあたりです。
「戦略策定」や「業務標準化」にも関わりますが、データがあるなら「データ整備」です。データを見て分析すると分かることや改善のヒントがたくさん見えてきます。まずはそれをやりましょう。
もしデータがなければ、CSのハイパフォーマーへインタビューをして、その人の行動をCS全体の「型」として落とし込んでいくことをお勧めします。
成果を出している人をロールモデルとします。ロールモデルがどのようなマインドでアクションし、どのようにお客様とコミュニケーションをしているのか、といったことをインタビューし、CSアクションの型をつくれるようにすることは比較的取り組みやすいと思います。
お客様×プロダクトの利用状態に関わる情報を「プロダクト利用データ」、一方プロダクト利用だけでは計測・蓄積することができない、CS活動から得られる一次情報などを「プロダクト外の活動データ」と定義しています。
そしてデータがないケースですが、実はたくさん存在するんです!ケースとしては「取れない」、「足りない」、「貯めてない」、この3つですね。
「取れない」は、たとえばプロダクトの利用データを、システム的に取ろうとしたことがなくプロダクト開発チームに頼まないといけない。また、プロダクト外の情報はプロダクトと関係がありつつプロダクト上では行われないお客様の行動など、お客様に聞かないと取れないものです。CSの活動データに関しては、全部記録していくというのがリソース的にできない、といったケースです。
「足りない」は、プロダクトの利用データや、CSミーティングの議事録など、一部大事そうなものを取っていても、分析しようとしたときに欲しい情報が足りてないケースです。
そして「貯めてない」は言葉の通り、フローの情報になってしまっているケースです。情報としては取れているけれど、それをどこかできちんと整理して蓄積、管理しているわけではないなどです。
はい、本当にプロダクト上だけで必要なデータがすべて完結していればいいのかもしれませんが、多くの場合、プロダクト上のデータと、それ以外のファクト、例えばお客様の利用目的や期待値などを掛け合わせることで本当の分析やサポートができます。そういう、プロダクト外の大事そうなデータをどう取るかは肝になりますね。ただ、全部の情報を集約するのは難しいので、何が大事か?というKPIとかマイルストーンを置き、それを取得できるようにしましょうということです。
そういったデータ整備・分析は戦略策定や業務標準化とも結びつくし、それを実行するためのアクション設計や実現するための人材育成も必要ですし、コンテンツ作成も必要なので、データ整備・分析だけやればいいということではなく実はすべての項目が密接に結びついているんです。
そのため結局、CS Opsの業務は、CSをハイタッチ依存から脱却させてスケールさせる、生産性を上げる際に必要不可欠なものだと思います。
シンプルに言い換えれば、「ルール」と「ツール」と「コンテンツ」を作る、ということです。料理でたとえると、ルールがレシピ、ツールは調理器具、コンテンツっていうのが食材です。
CS Opsでは、業務の標準化とか戦略でルール化し、データやシステムといったツールを活用します。資料やFAQ、メールの文面、トークスクリプトなどのコンテンツも整えていき、誰でもCSの成果が同じように出せる状態を実現していくのが理想です。
そうですね。マネージャーがすべて担当するというケースもあります。ただ、プレイングマネジメントをしているマネージャーも多いです。CS Opsをしようとして、これまでの本業ができないというのも本末転倒なので、期間と水準を決めることをおすすめします。
100点ではなく、50点をまずいつまでに目指そうと、そういった進め方が現実的かと思います。
もしくは、CS Ops人材も数年前と比較して増えてきているので、採用するという選択ができるのであれば専任を置くことをおすすめします。
専任でCS Ops担当を一人置くには、CSチームが5人以上になったら、と言われることがありますが、実際は5人で置いてるところをあまり見かけないので、10人ぐらいから考えてもいいかもしれないですね。10人ぐらいになると標準化すべき部分のバラつきの度合いを許容できなくなり、また補正するためのコミュニケーションも難しくなり・・ということなのでしょう。
まだまだ、日本ではCSがお客様対応の枠で捉えられていると思うんですよね。ただ先ほどのCS Opsの話もある通り、CSは活動範囲がすごく広いんです。お客様の満足・成功をサポートし、リテンションやアップセルを狙うという意味では、お客様を育て、収益を生んでいく柱、つまり事業のコアになり得るんですよね。
なので、一顧客担当という位置付けだけではなくプロダクトにも営業にも、事業全体にも関与していく経営レベルまで、CSの重要性が高まっていってほしいと思います。
あとは、CSが事業的に成果を出しているのが当たり前という状態になれば嬉しいですね。そして、その成果がスタープレイヤーだけのものだったり、偶然出たものではなくてきちんと仕組み化されて、再現性がある状態が理想です!
はい。それも、お客様だけと相対しているのでは実現が難しいですよね。
SaaSビジネスでは、お客様と最もタッチポイントがあり成功確率を左右するのはプロダクトそのものです。開発、PdMにVOCを届けて改善していく過程にもCSは携わっていくべきです。また、お客様がプロダクトを使うモチベーションや期待値を正しいものにするために、営業とも連携してコミュニケーションなどを改善していかないといけません。
社内でCS業務が認識されづらい場合、VOCを社内に積極的にフィードバックしたり、お客様の満足、成果、収益のような見える結果も社内にどんどん還元していけるように私自身もご支援していきたいです。
開発部門から受け入れられづらい、という相談については、CS側のVOCの取り方や伝え方に改善の余地があるかもしれません。言われたことをそのままパスするのではなく、たとえば、要望の裏側にある背景や、共通の課題を抽象化した上でパスするべきかと思います。
VOCの取り方については第1弾の竹田さんの記事もご参考ください
>竹田さんのインタビュー記事はこちら
あと、もし開発部門がお客様と接点を持っていないとしたら、それも問題です。CSからのプロダクトフィードバックは間接的な情報じゃないですか。開発メンバーに、顧客とのミーティングに出たり、コミュニティに出てもらうなどして、直に話す機会を持ってもらうと圧倒的に解像度が上がります!CSの言うことを聞いてくれないと嘆くのではなくて、お客様の声を直接聞く機会を創出したり、お客様の普段の業務や付随する困りごとなど、プロダクトではなく、顧客業務の解像度を社内全体として上げていくためのアクションも良いと思いますよ!
※丸田さんのインタビューは前編・後編と2回に渡ってお届けします。
>>前編はこちら『最適なCS戦略を策定するために必要な、自社サービスの特徴の捉え方とは』
>そのほかインタビュー記事はこちら!
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