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従業員向けDAPと顧客向けDAPの違い|活用場面・KPI・選び方

公開日:

2026/09/04

最終更新日:

2026/9/4

従業員向けDAPと顧客向けDAPの違い|活用場面・KPI・選び方

従業員向けDAPと顧客向けDAPの違い|活用場面・KPI・選び方

取締役COO

藤原タケフミ

株式会社STANDS取締役COO。ノーコードでWebサービスのユーザー体験を改善する「Onboarding」を提供。営業・CS・マーケティングを統括し、生成AIを活用したサービス改善と事業成長に取り組んでいます。

藤原タケフミ

株式会社STANDS取締役COO。ノーコードでWebサービスのユーザー体験を改善する「Onboarding」を提供。営業・CS・マーケティングを統括し、生成AIを活用したサービス改善と事業成長に取り組んでいます。

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DAPは社内システムの定着支援として知られていますが、活用できる相手は従業員だけではありません。SaaS、会員サイト、EC、予約・申込サービスなど、顧客が使う画面にも応用できます。

ただし、同じガイド機能でも設計の基準は変わります。本記事では、従業員向けと顧客向けで何が違うのか、顧客オンボーディングのどこで使えるのか、ツールをどう選ぶのかを整理します。

DAP(デジタルアダプションプラットフォーム)とは、ユーザーが迷わず操作し、目的を達成できるよう支援するツールです。 DAPの定義や基本的な機能については、デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)とは?重要性やツール例を紹介!で解説しています。


この記事の要点

  • DAPは従業員向けだけでなく、顧客オンボーディングにも活用できます

  • 違いは機能ではなく、利用動機・つまずいた際の損失・改善するKPIです

  • 顧客向けでは、操作習得より価値実感につながる行動を増やすことが重要です

  • 実装方式によって導入できるシステムが変わるため、初期段階で確認します

  • 導入は全画面ではなく、重要な1行動から小さく始めます

従業員向けと顧客向け、2つの活用シーン

デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)とは、従業員が使う業務システムへの活用がよく知られています。ただし、DAPの考え方はSaaS、会員サイト、EC、予約・申込サービスなど、顧客が使う画面にも応用できます。

本記事では、この用途を「顧客向けDAP」と呼びます。独立した正式カテゴリではなく、DAPの活用範囲を整理するための表現です。

従業員向けは業務の定着を支援する

従業員向けでは、決められた業務を正しく、速く処理できる状態を目指します。入力ミスや差し戻しを減らし、研修や社内問い合わせの負担を抑えることが中心です。

利用をやめる選択肢がない業務システムでは、分かりにくさが作業時間やサポートコストとして表れます。そのため、正しい手順や社内ルールを画面上で示すことに価値があります。

相性がよいのは、自社で開発・運用している社内向けWebシステムです。内製の管理画面、業務ポータル、スクラッチ開発の業務アプリケーションなどが該当します。

一方、他社パッケージやSaaSとして提供される基幹システムは、利用規約や保守契約、セキュリティ要件によって外部タグの設置が認められない場合があります。対象システムの提供元へ、設置可否を事前に確認してください。

顧客向けは価値実感までの行動を支援する

顧客向けサービスでは、分かりにくさが離脱や解約につながります。顧客はサービスの操作を覚えるために契約したわけではなく、業務を効率化する、商品を購入する、手続きを終えるといった目的を持っています。

そのため、顧客向けDAPのゴールは「操作を覚えてもらうこと」ではありません。初期設定、初回成果、重要機能の利用、申込完了など、顧客が価値を感じる行動へ導くことです。

評価方法も変わります。ガイドの閲覧数だけでなく、初期設定完了率、対象機能の利用率、フォーム完了率、問い合わせ率などを確認します。問い合わせが減っても、顧客が質問を諦めて離脱していれば成功とはいえません。


PLG・セルフオンボーディングとの関係

PLG(Product-Led Growth)は、プロダクト体験そのものを顧客獲得や継続、拡張の起点にする成長戦略です。DAPは、PLGを支える実装手段の1つになります。

たとえば無料トライアル中のユーザーへ最初の成果までの操作を案内し、未利用の重要機能を知らせます。顧客自身が価値へ到達できれば、CS担当者がすべての顧客へ同じ説明を繰り返さずに済みます。これがセルフオンボーディングです。

ただし、DAPがカスタマーサクセスを置き換えるわけではありません。定型的な操作支援はプロダクトに任せ、個社固有の運用設計や活用提案は人が担うという役割分担が現実的です。

DAPは顧客オンボーディングのどこで使える?

DAPは、初回利用、機能活用、申込・登録、自己解決など、画面上の迷いが事業成果へ影響する場面に使えます。

初回利用・初期設定を完了させる

会員登録や契約が完了しても、初期設定が終わらなければサービスの利用は始まりません。SaaSなら、プロフィール登録、メンバー招待、データ連携、最初の成果物作成などが候補です。

すべての機能を説明するのではなく、最初の価値実感に必要な操作だけをチュートリアルで案内します。完了済みのユーザーには再表示しないなど、利用状況に合わせた出し分けも欠かせません。

重要機能の認知と利用を促す

新機能や付加価値機能は、リリースしただけでは使われません。メールで告知しても、顧客が対象機能を使える状況とタイミングが合わなければ、そのまま忘れられます。

未利用の顧客が関連画面を開いた瞬間に案内を出すと、利用文脈の中で次の行動を示せます。クリック数だけでなく、その後に機能を使ったかまで確認します。

申込・登録の離脱を減らす

申込フォームやマイページでは、専門用語、入力条件、必要書類、エラー後の直し方が分からず離脱が起きます。別ページのマニュアルだけでは、説明と操作画面を何度も往復させてしまいます。

入力欄の近くへ短いヒントを置き、複数ステップの手続きは現在地と次の行動を示します。エラー時には原因だけでなく、どう直せば進めるかまで案内します。

問い合わせ前の自己解決を支援する

FAQに正しい回答があっても、顧客が検索語を思いつけなければ利用されません。また、回答を読んだ後に画面へ戻り、操作場所を探す負担も残ります。

定型情報はFAQ、自然文の疑問はAI、画面上の連続操作はガイドというように役割を分けます。回答から対象画面へ移動し、その場で操作を始められると、「分かった」から「できた」までをつなげやすくなります。

DAPツールの選定基準

DAPツールは、機能数や知名度だけでなく、自社の対象画面・ユーザー・KPI・運用体制に合うかで選びます。

実装方式で導入できるシステムが変わる

DAPは製品によって実装方式が異なり、これが導入可否と社内審査の難易度を左右します。

自社の対象画面がブラウザで完結するのか、端末配布まで必要なのかによって、選ぶべき製品と社内調整の相手が変わります。検討の初期段階で確認しておく項目です。

確認すべき7つの観点

顧客向けでは、案内を作れるだけでは足りません。「誰に、どの場面で表示し、その後の行動をどう測るか」まで一連で運用できることが重要です。

また、ガイドを非エンジニアが作れる場合でも、初期実装やセキュリティ確認には開発・情報システム部門の協力が必要なことがあります。導入前に担当範囲と更新フローを決めておくと、公開後の施策が止まりにくくなります。

DAPの一般的な料金

DAPの料金は公開されていない製品が多く、単純な月額比較ができません。まず課金軸を確認します。

  • 対象ユーザー数(MAU・ID数):利用者が増えるほど費用が増える。顧客向けは変動が大きい

  • 対象サービス・ドメイン数:複数サービスへ展開する予定があるかで総額が変わる

  • 機能グレード:AI支援、分析、ターゲティングの範囲でプランが分かれることが多い

  • 初期費用・支援費用:導入設計や運用伴走が別料金かどうか

見積りを依頼する前に、対象画面、想定ユーザー数、社内の運用体制の3点を決めておくと、比較可能な条件で提示を受けられます。


導入を成果につなげる3ステップ

ツール選定より先に、増やしたいユーザー行動と、現在止まっている理由を決めます。全画面ではなく1つの課題から始めます。

1. 価値実感につながる行動を決める

ログインやページ閲覧ではなく、初期設定完了、初回レポート作成、希望条件登録、申込送信など、価値へ近づく行動を選びます。候補が多い場合は、事業成果との距離、未完了ユーザーの多さ、計測しやすさで優先順位を付けます。

2. つまずく画面と理由を特定する

アクセス解析だけでなく、問い合わせ内容、エラー、CSが受ける質問、ユーザーの声を確認します。「離脱率が高い」で止めず、「用語が分からない」「次の操作を見つけられない」「自分が対象か判断できない」まで具体化します。

3. 小さく実装して行動変化を測る

連続操作にはチュートリアル、用語にはヒント、条件で答えが変わる疑問にはAIを使います。個別判断が必要な相談は人へつなぎます。

公開後は、ガイド開始率や完了率などの施策指標と、初期設定完了率、機能利用率、CVR、問い合わせ率などの成果指標を分けて確認します。

DAPはUI改修の代替でもありません。不具合、アクセシビリティ上の問題、案内がなければ誰も理解できない設計は本体側で直します。DAPは、支援の仮説を速く試し、継続的に補完する手段として使います。

Onboardingで顧客向け施策を実装する

株式会社STANDSの「Onboarding」は、顧客向けWebサービスへDAP施策を実装する選択肢の1つです。既存サービスへJavaScriptタグを1行追加し、チュートリアル、ヒント、ポップアップなどを設置できます。顧客属性や利用状況に応じた表示、ガイドの利用状況や離脱箇所の分析、AI支援との連携にも対応します。

端末への拡張機能配布や専用クライアントのインストールが不要なため、既存サービスを改修せずに着手できます。対象はブラウザで利用するWebサービスで、自社で開発・運用している社内向けWebシステムにも適用できます。

ガイド、ポップアップ、チュートリアルのイメージ

法人のタクシー移動における業務の負荷を削減することができるサービス「GO BUSINESS」ではOnboardingを利用し、導入初期段階のユーザーサポートを行ったことでカスタマーサポートの対応工数が70%削減されています。

事例はこちら

AIリーガルリサーチ・判例検索サービスである「Legalscape」は、初回ログイン時のチュートリアルや、新機能リリースの際のポップアップなど幅広く活用し、問い合わせ率を約23%削減ができています。

事例はこちら

どちらも、操作ガイドを置くこと自体が目的ではありません。顧客が価値へ近づく行動を決め、その手前の迷いを画面上で減らした事例です。成果はサービスや対象ユーザーによって変わるため、自社では導入前の数値を取り、小さな範囲で検証します。

よくある質問

DAPは社内システム専用ですか?

社内システム専用ではありません。従業員向けの利用が広く知られていますが、SaaS、会員サイト、EC、申込サービスなど、顧客が使う画面にも活用できます。対象によって目的とKPIを変えることが重要です。

どんなシステムに導入できますか?

製品の実装方式によって異なります。タグ設置型のDAPは、ブラウザで利用するWebサービスが対象です。自社で開発・運用しているサービスであれば設置の判断が社内で完結しますが、他社が提供するパッケージやSaaSでは、利用規約やセキュリティ要件によって外部タグの設置が認められない場合があります。対象システムの提供元へ事前に確認してください。

DAPの導入費用はどのくらいですか?

多くの製品が料金を非公開としており、対象ユーザー数、対象サービス数、機能グレード、支援範囲によって変わります。比較する際は月額の総額だけでなく、課金軸、最低契約期間、初期費用と支援費用の有無をそろえて確認します。

DAPのデメリットや注意点はありますか?

DAPはUI改修の代替ではありません。不具合や、案内がなければ誰も理解できない設計は本体側で直す必要があります。また、ガイドを増やしすぎると本来の操作を妨げるため、対象と表示条件の設計が欠かせません。運用担当と更新フローを決めずに導入すると、公開後に施策が更新されなくなります。

DAPとオンボーディングツールは同じですか?

重なる機能はありますが、完全に同じとは限りません。オンボーディングツールは導入直後の立ち上がりを中心に支援します。DAPは初回利用に加え、継続的な機能活用、操作ミスの防止、問い合わせ削減なども対象にします。

DAPがあればカスタマーサクセスは不要ですか?

不要にはなりません。定型的な操作支援をプロダクト内で届けることで、CS担当者が個別の課題整理や活用提案に時間を使いやすくする仕組みです。契約判断や組織固有の運用設計は、人による支援が適しています。

DAPはどの画面から導入すべきですか?

価値実感に近く、未完了や問い合わせが多く、改善後の行動を計測できる画面から始めます。初期設定、会員情報登録、申込フォーム、重要機能の初回利用などが候補です。

まとめ|DAPの対象を顧客まで広げる

DAPを社内システムの定着に使う考え方は正しいものです。同時に、顧客が使うWebサービスでも、迷いを減らし、価値につながる行動を支えるために活用できます。

違いは機能ではなく設計目的です。従業員向けでは業務の正確さや効率、顧客向けでは初期設定、機能活用、申込、継続利用といった価値行動を中心に設計します。重要なのは、ガイドを増やすことではなく、誰の、どの行動を増やしたいのかを決め、その手前の迷いに合う支援を置き、行動変化まで測ることです。

顧客向けWebサービスで、どの画面からDAP施策を始めるべきか整理したい場合は、Onboardingで実現できる方法を事例とあわせてご案内します。

まずは資料で機能や活用事例の詳細をご確認ください。
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