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【SaaSの重要KPI】ARR(Annual Recurring Revenue)とは?計算方法や重要性、SaaS企業の実例も紹介!

公開日:

2022/07/20

最終更新日:

2025/10/8

【SaaSの重要KPI】ARR(Annual Recurring Revenue)とは?計算方法や重要性、SaaS企業の実例も紹介!

STANDS編集部

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SaaSビジネスにおいて重要なKPIであるARR(Annual Recurring Revenue)。

ARRはSaaSビジネスの成長性を測るために有効な指標です。ARRの意味を正しく理解し扱うことで、サービス・経営の改善につなげることができます。

 

とはいえ、「用語としては知っているが、十分理解しきれていない」という方も多いのではないでしょうか。

 

この記事ではARRについて、定義や算出方法からその重要性や関連するキーワードの意味まで、基本的な内容を解説します。

 

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ARR(Annual Recurring Revenue)とは?

最初に、基本となるARRの定義とその算出方法を説明します。

 

ARRの定義

ARRとは、「Annual Recurring Revenue」の略であり、日本語では「年間経常収益」「年間定期収益」と称されます。

 

ARRは、毎年決まって得られる1年分の収益を表す指標です。

「決まって得られる」という点がポイントであり、ARRに初期費用やコンサルティング費用など、一時的なスポットの収益は含まれません

 

年間の収益を予測する指標であるため、SaaSビジネスの中でも年間契約型のサービスを提供している場合に、特にARRが重要視されます。

 

 ▼そのほかSaaSの重要KPIについての詳細はこちら
『保存版【SaaSの重要KPIまとめ】SaaSの主要指標を解説』

ARRの計算方法

ARRは算出時点における月間の収益(MRR)に基づいて予測されます。

ひと月分の収益を元に1年間分(12ヶ月分)の収益を算出するため、ARRの計算式は以下の通り非常にシンプルです。

 

ARR=MRR×12

 

あくまである時点のMRRを元にした予測であるため、事業をローンチして間もない期間などMRRの変動幅が大きい状況の場合は、特にどの時点のMRRを採用して算出するかに留意する必要があります。

 

では、ARRの計算に必要な数値であるMRRはどのようにして算出するのでしょうか。

SaaSビジネスにおけるMRRの計算方法としては、一般的に以下の2パターンがあります。

 

1つ目の計算方法は、以下のとおりです。

MRR = 1アカウント当たりの月間の平均収益 × 該当月のユーザー総数

 

2つ目の方法は、以下の4種類に分類したMRRの各数値を元に算出するものです。

New MRR:当月に新規獲得した顧客から得たMRR

Expansion  MRR:既存顧客の契約アップグレードなどにより前月比増加したMRR

Downgrade MRR:既存顧客の契約ダウングレードなどにより前月比減少したMRR

Churn MRR:当月の既存顧客の解約により失ったMRR

 

4種類のMRRを元に、以下の計算式によって算出します。

MRR=前月MRR+(New MRR+Expansion MRR-Downgrade MRR-Churn MRR)

 

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ARRがSaaSビジネスにおいて重要な理由

ARRとはどういったものであるかを確認したところで、ここからはなぜARRがSaaSビジネスのKPIとして重要視されるのか、具体的な理由を解説します。

ARRがSaaSビジネスにおいて重要な理由

①ビジネスの成長率・パフォーマンスを確認できる

ユーザーが期間ごとの定額料金を支払って利用する<strong>サブスクリプション型の収益モデルを採るSaaSビジネスの場合、事業の成長率を測る指標としてARRが特に適しています。

 

従来の売り切り型の収益モデルにおいては、一般的に売上高がそのまま成長指標として扱われます。しかし、サブスクリプション型であるSaaSの場合、同様の考え方を当てはめるだけでは正しく成長率を捉えることができません

 

期間ごとの売上を累計していくことによって事業を成長させていくSaaSビジネスにおいては、ARRを確認しその推移を分析することが成長性の把握につながります。

また、ARRという定量的な数値で現状のパフォーマンスを捉えることで、戦略や施策の改善検討にも役立てることができます

 

②投資家の企業価値判断の指標になる

SaaSビジネスの成長率を表す指標であるARRは、投資家の判断材料としても重要な情報です。

 

投資判断は、事業の成長性・効率性・継続性を総合的に評価して行われます。うち、特に成長性を定量的かつ明確に表すARRは、投資家のバリュエーション(企業評価価値)算定において利用されます。

 

スタートアップのSaaS企業の多くにおいて、資金調達は大きな課題です。ARRは自社内での現状把握や将来予測だけではなく、投資家の判断基準としても非常に重要な指標であるということを覚えておきましょう。

 

③事業計画立案や収支の見込み把握に役立つ

ARRはここまでで解説してきたとおり、サブスクリプション型のSaaSにおいて事業の成長率やパフォーマンスを適切に表すことができる指標です

 

したがって、SaaSビジネスで事業計画を立案したり、将来的な収支の見込みを立てたりするための定量的指標としても、ARRは非常に役立ちます。

 

特に提供するサービスの契約期間を12ヶ月としているSaaS企業の場合は、ARRを直接次年度の収支見込みとして事業計画策定時に参照することが可能です。

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MRR(Monthly Recurring Revenue)・NRR(Net Revenue Retention)

ARRの計算に必要な数値である「MRR」や、同じくSaaSビジネスの成長性を示す指標として扱われる「NRR」についてもその意味を詳しく確認していきましょう。

 

<ARR・MRR・NRRの違い>

ARR・MRR・NRRの違い

MRRとは

MRRとは、「Monthly Recurring Revenue」の略であり、日本語では「月間経常収益」「月間定期収益」と称されます。

 

ARRとMRRの違いは、対象としている期間です。ARRが年単位の収益を表す一方、MRRは月単位で決まって得られる収益を表します。

 

MRRもARRと同様に、SaaSビジネスの成長性を測るために重要なKPIの一つです。提供するSaaSの契約期間によって、ARRとMRRのどちらを重要視するかを決めましょう。

契約期間が年単位であるサービスであればARRを、契約期間が月単位で毎月新規契約や解約が頻繁に生じるサービスであればMRRをKPIとして用いることが一般的です。

 

▼MRRについて詳しく知りたい方はこちら
『【SaaSの重要KPI】MRR(Monthly Recurring Revenue)とは?計算方法やARR・NRRとの違いを解説!』

NRRとは

ARRやMRRと並んで、SaaSビジネスの成長率を捉えるための重要な指標がNRRです。

NRRとは、「Net Revenue Retention」の略であり、日本語では「売上維持率」と称されます。

 

NRRは当該月の収益の維持率を示す指標であり、以下の計算式で算出します。

NRR=(月初の合計MRR + Expansion MRR – Churn MRR – Downgrade MRR)÷月初の合計MRR

 

NRRの数値が高ければ高いほど、その企業の成長性は高いと予測できます。

 

なお、NRRには新規顧客からの収益であるNew MRRは含まれません。NRRが100%を超えている場合、既存顧客のアップセルやクロスセルが好調であり、将来にわたって成長が期待できる安定した事業運営ができているということになります。

 

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ARRと関連するSaaSの主要KPI

ARRと関連の深いSaaSの主なKPIについても理解しておきましょう。

 

ARPU

ARPUとは1ユーザーあたりの平均売上金額を表すKPIです。

一般的には「アープ」と読み、ARRと同じくSaaSビジネスの成長性を示す指標の一つです。

 

ARPUは基本的に「売上金額÷ユーザー数」で算出可能です。

例えば、月の売上高が1,000万円でユーザーが1,000人の場合、月間のARPUは1万円ということになります。

 

前述のとおりARRの算出方法は「MRR×12」であり、MRRの算出方法の一つは「月間ARPU × 該当月のユーザー総数」です。

つまり、ARPUはARRを算出するために必要な指標でもあります。

 

▼ARPUについて詳しく知りたい方はこちら

『【SaaSの重要KPI】ARPU(アープ)とは?ARPA・ARPPUとの違いや計算式など基本を解説!』

チャーンレート(解約率)

チャーンレートとは顧客数全体や収益全体に対する解約の割合を表すKPIです。

 

日本語では「解約率」、契約を必須としないビジネスモデルの場合は「退会率」や「離脱率」として扱われることもあります。

 

ARRとの関係性は、MRRの計算式の一つ「MRR=前月MRR+(New MRR+Expansion MRR-Downgrade MRR-Churn MRR)」を見るとわかります。

チャーンレートが上がると計算式の要素であるChurn MRR(当月の既存顧客の解約により失ったMRR)が大きくなるため、結果的にARRは低下します

 

▼チャーンレートについて詳しく知りたい方はこちら

『【SaaSの重要KPI】チャーンレート(Churn rate)とは?解約率の種類や意味、計算式から改善方法まで解説!』

ARR100億円超えSaaS上場企業ランキングTOP5

最後に、高いARRを誇る上場企業のランキングTOP5を紹介します。

実例を知ることで、ARRがSaaS企業の成長率を表しているということがよりイメージしやすくなるのではないでしょうか。

 

※記事内で紹介するARRの数値はすべて2022年8月時点のものです。

※ARRの開示がない場合はクラウド事業売上高などで算出しており、必ずしも同一基準ではありません。

 

①SanSan

名刺管理サービスで一躍有名SaaS企業となったSanSan。

2007年の設立以来成長を続けているSanSanのARRは198億円、ARR成長率は22.9%です。

※出典:Sansan株式会社 2022年5月期通期決算説明資料

 

名刺管理にとどまらない営業DXを推進するサービスである「SanSan」、名刺管理やキャリアプロフィール作成に活用できる個人向けアプリ「Eight」、あらゆる請求書をオンライン受け取り可能にする「BillOne」など、便利なサービスを複数提供しています。

 

②ラクス

「未来を考える時間を取り戻そう」という思いの元、企業の生産性向上に資するクラウドサービスやIT人材事業を行っているラクスのARRは167億円、ARR成長率は35.9%です。

※出典:株式会社ラクス 2022年3月期決算説明資料

 

経理業務を効率化する「楽楽精算」をはじめとする、バックオフィス業務からフロントオフィス業務までを支援する複数のサービスを展開しています。

 

③freee

​​スモールビジネスのバックオフィス業務を効率化するクラウドサービスを開発・提供するfreeeのARRは150億円、ARR成長率は33.6%です。

※出典:freee株式会社 2022年6月期 第4四半期 決算説明資料

 

個人事業主から中規模法人を主なターゲットとしており、確定申告や日々の経理業務をまとめて効率化できる「freee会計」が代表的なサービスです。

 

④サイボウズ

クラウド型のグループウェアや業務改善サービスを主に提供するサイボウズのARRは150億円、ARR成長率は26.0%です。

※出典:サイボウズ株式会社 2021年12⽉期 決算・事業説明会資料

 

1997年の発売以降、サイボウズが日本人の働き方にあわせた開発を行ってきたサービス「サイボウズOffice」の累計導入社数はなんと70,000社を突破。多くの中小企業に支持されています。

 

⑤マネーフォワード

すべての人の「お金のプラットフォーム」になるというミッションを掲げ、個人向け家計簿アプリや法人向け会計ソフトを提供するマネーフォワードのARRは140億円、ARR成長率は38.0%です。

※出典:株式会社マネーフォワード 2022年11月期第2四半期決算説明資料

 

マネーフォワードが扱う中小企業向け会計ソフト「Money Forward クラウド」はなんと契約継続率99%を誇っています。

 

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まとめ

毎年決まって得られる1年分の収益を表すARRは、SaaSビジネスの成長性を確認することができ、将来予測に役立てられる重要なKPIです。

 

正しく意味を理解し、MRRやNRRといったその他の重要指標とあわせて、活用していきましょう。

 

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