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藤原タケフミ
株式会社STANDS取締役COO。ノーコードでWebサービスのユーザー体験を改善する「Onboarding」を提供。営業・CS・マーケティングを統括し、生成AIを活用したサービス改善と事業成長に取り組んでいます。
藤原タケフミ
株式会社STANDS取締役COO。ノーコードでWebサービスのユーザー体験を改善する「Onboarding」を提供。営業・CS・マーケティングを統括し、生成AIを活用したサービス改善と事業成長に取り組んでいます。
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AIチャットボットを導入したのに、社内ではこんな会話が増えていないでしょうか。
回答は返っているのに、問い合わせ件数はあまり変わらない
FAQを読み込ませたのに、結局ユーザーが前に進めていない
利用率を見ているが、何をもって成功とすべきか定まらない
この状態で「プロンプトをもっと改善しよう」「FAQをもっと増やそう」と動いても、成果が伸びないことがあります。原因はAIの性能不足ではなく、設計の順番にあるかもしれません。
実は、AIチャットボットが使われないときは、見直す場所にある程度パターンがあります。特に重要なのが、「ナレッジ」「役割」「体験」の3つです。この記事では、AIを使わせることではなく、ユーザーの問題解決につなげるために、どこから見直すべきかを整理します。
AI導入がうまくいかないとき、最初に起きやすいのが「AIを置くこと」が目的になってしまうことです。
たとえば、
チャットを何回開かれたか
AIが何件回答したか
FAQを何件読み込ませたか
といった数値だけを見ていると、本来追うべき成果が見えにくくなります。
本来、ユーザーが求めているのは「AIを使うこと」ではなく、「すぐに問題が解決すること」です。企業側が「チャットを開いてほしい」と考えていても、ユーザーはできるだけ問い合わせたくありません。迷わず操作を進められるなら、それが最もよい体験です。
そのため、AI導入の評価軸も「利用されたか」ではなく、「目的達成に近づいたか」で考える必要があります。
もう1つよくあるのが、回答精度だけを改善テーマにしてしまうことです。
もちろん、間違った回答は避けるべきです。ただ、回答が正しいことと、ユーザーが前に進めることは同じではありません。AIがそれらしい説明を返しても、
長くて読みづらい
どの操作をすればよいか分からない
自分の状況に合う答えか判断できない
という状態であれば、結局は問い合わせや離脱につながります。
FAQやマニュアルを丸ごと投入しても、役立つ体験にならないのはこのためです。情報量を増やすだけでは、ユーザーの問題解決には直結しません。回答精度は大切ですが、それは成果を出すための一部の要素にすぎません。
AIチャットボットが期待どおりに機能しないとき、最初に見直したいのがナレッジ設計です。
よくある失敗は、FAQ、マニュアル、社内資料をそのまままとめて読み込ませることです。これでは、AIは答えの根拠を探しにくくなり、長すぎる回答や的外れな案内を返しやすくなります。
ナレッジ設計では、少なくとも次の観点が必要です。
質問単位で情報が切り出されているか
古い情報や不要な情報が混ざっていないか
ユーザーが実際に困る表現に沿って整理されているか
AIが答えにくかった入力をもとに、継続的に見直せる状態か
要するに、必要なのは「量」より「整理」です。AIに何でも読ませるのではなく、ユーザーの疑問に答えやすい形へ整えることが、最初の改善ポイントになります。
次に重要なのが、AIと人の役割設計です。ここが曖昧なまま導入すると、「AIに任せるべきでない問い合わせまで受けさせる」「逆にAIで十分な内容まで人が対応している」といったムダが起きます。
考え方としては、問い合わせを大きく3つに分けると整理しやすくなります。
共通知識だけで答えられるもの
状況確認が必要で、AIが一次対応すると有効なもの
判断責任や感情面の配慮が必要で、人に渡すべきもの
役割設計のポイントは、「AIが全部答える」ことを目指さないことです。AIに向く範囲を明確にすることで、ユーザーにとっても、運用する側にとっても分かりやすい体験になります。
たとえば、
基本機能の使い方
料金プランや契約プランごとの違い
管理画面の一般的な設定手順
よくある操作方法や初期設定の流れ
のように、答えがある程度共通化できる質問は、AIで即時回答しやすい傾向があります。
しかし、
設定したはずなのに画面に反映されない
エラーが出ているが、どこで失敗したか分からない
操作できない原因が、権限なのか入力内容なのか切り分けたい
自社の状況では、どの機能を使うべきか判断したい
こうした個別事象や背景確認が必要な問い合わせでは、AIが無理に結論を出すのではなく、最初に必要な情報を聞き返し、状況を整理したうえで人に引き継ぐほうが適しています。
役割設計のポイントは、「AIが全部答える」ことを目指さないことです。
AIが完結できる範囲、AIが一次受けとして整理する範囲、人が判断すべき範囲を分けることで、ユーザーにとっても運用側にとっても分かりやすい体験になります。
3つ目は体験設計です。
ナレッジと役割を整えても、ユーザーが必要なタイミングでAIにたどり着けなければ、成果にはつながりません。
多くのユーザーは、困ったときに必ずチャットを開くわけではありません。
実際には、
説明を読む前に離脱する
何を聞けばいいか分からない
チャットを開く前に、その場で迷いを解消したい
という行動のほうが自然です。
だからこそ、AIチャットボットは単独で置くのではなく、ユーザーがつまずく前後の体験全体で設計する必要があります。
たとえば、
入力前に注意点を見せる
操作中の画面で次にやることを示す
よくある迷いは画面上のガイドで先回りして解消する
画一的な案内では足りない場面だけAIが補完する
という流れです。
重要なのは、「困ったらチャットを開いてもらう」前提ではなく、「そもそも迷いにくくする」前提で設計することです。
画面上で解消できる迷いは先回りして減らし、それでも残る個別性の高い疑問をAIが受け止める。
この順番で考えると、AIチャットボットはより自然に成果につながりやすくなります。
AI導入で失敗しやすいのは、最初から全ページ、全機能を対象にしようとすることです。範囲が広すぎると、必要なナレッジ整理も役割分担も追いつかず、結果として「一応あるが使われないAI」になりがちです。
まずは、問い合わせが多いページや、離脱が起きやすい導線など、一部のページから始めるのが現実的です。
たとえば、
初期設定の途中で止まりやすい画面
入力項目が多く、説明が必要な画面
同じ問い合わせが繰り返し発生している画面
のような場所から着手すると、改善効果も観察しやすくなります。
小さく始めることで、AIに何を任せるべきか、どの情報が足りないか、どの導線でガイドが必要かが具体的に見えてきます。
公開後は、問い合わせログやAIの会話ログを見ながら改善を続けることが重要です。
見るべきなのは、「AIが答えられたか」だけではありません。むしろ次のような観点が重要です。
どの質問でユーザーが止まっているか
どの画面で同じ相談が発生しているか
AIで回答したあとに、ユーザーが前に進めたか
人への引き継ぎが多いのはどの領域か
このログを見ていくと、AIで答えるべき質問と、画面上で先回りして解消すべき迷いが分かれてきます。改善の出発点は、AIの精度調整だけではなく、UX全体の見直しに置くべきです。
ここまでを整理すると、成果を出すために必要なのは「AIチャットボットを置くこと」ではなく、ユーザーが迷う場面をどう減らし、残る疑問をどう受け止めるかという実装の順番です。
特に重要なのは、AIを単独で考えないことです。画面上で先回りして防げる迷いと、AIが補完したほうがよい質問を切り分けることで、はじめて体験設計が機能しやすくなります。
AIチャットボットの効果を高めたいなら、まずは「AIに来る前の迷い」を減らす発想が欠かせません。
たとえば、操作手順が決まっている場面や、毎回同じ用語でつまずく場面では、チャットを開かせる前に画面上で案内したほうが自然です。これにより、単純な操作案内や用語の補足は、チャットに流入させずその場で解決しやすくなります。
たとえば、
初回設定の手順をステップで見せる
分かりづらい用語に補足を出す
次に押すべきボタンや入力の注意点をその場で示す
といった支援は、AIより前に配置したほうが機能する場面が多くあります。
株式会社STANDSのOnboardingも、こうした「画面上で先回りする支援」を実装しやすい考え方の延長線上にあります。大切なのは、先にツールを選ぶことではなく、どの迷いを画面上の案内で減らし、どの疑問をAIで補完するかを整理することです。
一方で、ユーザーの状況によって答えが変わる質問や、単純な説明だけでは足りない場面では、AIの補完が有効です。
たとえば、
質問の意図を少し聞き返したほうがよいケース
複数の選択肢から状況に合うものを絞り込むケース
ユーザーの入力内容に応じて次の行動を案内するケース
固定のガイドだけでは対応しにくいケース
では、AIが補完役として入ることで、ユーザーを次の行動へ進めやすくなります。
大切なのは、AIを主役にしすぎないことです。
あくまで「画一的な案内では解けない部分を補う役割」として置いたほうが、設計全体がぶれにくくなります。
実装の考え方は、次の順番で整理できます。
まず画面上のガイドで共通の迷いを減らす
それでも残る個別性の高い質問をAIが受ける
AIだけでは判断できないものは人へつなぐ
この順番で設計すると、「AIを使わせる」ための導線ではなく、「問題を解決する」ための導線を作りやすくなります。
AIチャットボットの見直しでは、KPIの置き方も重要です。チャット起動数や回答件数だけでは、改善の良し悪しを判断しきれません。
主に見たいのは、次のような指標です。
指標 | 何を見るか |
目的達成数 | ユーザーが設定完了、申込完了、操作完了などの目的に到達できたか |
問い合わせ発生数 | そもそもの問い合わせ件数が減っているか |
一次解決率 | AIまたは画面上支援で、その場の疑問が解消されているか |
離脱箇所 | どの画面、どの手順で止まりやすいか |
人への引き継ぎ率 | AIで扱うべきでない領域が多すぎないか、または設計不足がないか |
チャット利用数は補助指標としては役立ちますが、それ自体を成果にしないことが大切です。AI導入の目的は、チャットを開かせることではなく、ユーザーを前に進めることだからです。
AIチャットボットの効果が出ないとき、原因をモデルの性能だけに求めると改善が進みにくくなります。
見直すべきなのは、次の3つです。
何を答えさせるかというナレッジ設計
どこまで任せるかという役割設計
ユーザーがどのタイミングで何に困るかを考える体験設計
特に大切なのは、「困ったらチャットを開いてもらう」前提から、「そもそも迷いにくくする」前提へ発想を切り替えることです。
画面上で解決できる迷いはガイドで減らし、画一的な案内では足りない部分をAIが補完する。
そして、AIだけでは判断できないものは人へつなぐ。
この組み合わせのほうが、ユーザーにとって自然な問題解決につながります。
もし、自社のAIチャットボットが期待ほど使われていない、あるいは問い合わせ削減につながっていないなら、まずは一部のページから次の3点を整理してみてください。
どの迷いを画面上で減らすか
どの疑問をAIで補完するか
どこから先を人が受け持つか
Onboardingは、Webサイトや会員サイト、業務システム上に、画面上のガイドやヒントをノーコードで設置できるUX改善ツールです。
Onboarding Sync-AIの機能の一つであるAI機能と組み合わせることで、「そもそも迷いにくい体験」と「残る疑問へのAI補完」を一つの流れで設計できます。
導線設計の棚卸しから相談したい場合は、資料請求やオンライン相談からお気軽にお問い合わせください。
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