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テックタッチツールの種類と選定ポイントとは?自社に合う施策の見極め方を解説

公開日:

2026/07/10

最終更新日:

2026/7/10

テックタッチツールの種類と選定ポイントとは?自社に合う施策の見極め方を解説

藤原タケフミ

株式会社STANDS取締役COO。ノーコードでWebサービスのユーザー体験を改善する「Onboarding」を提供。営業・CS・マーケティングを統括し、生成AIを活用したサービス改善と事業成長に取り組んでいます。

藤原タケフミ

株式会社STANDS取締役COO。ノーコードでWebサービスのユーザー体験を改善する「Onboarding」を提供。営業・CS・マーケティングを統括し、生成AIを活用したサービス改善と事業成長に取り組んでいます。

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テックタッチを強化したいと思っても、チャット、FAQ、学習コンテンツ、プロダクトツアー、チュートリアルなど選択肢が多く、何を選ぶべきか迷いやすいものです。

しかも、同じ「テックタッチ施策」でも、向いている事業フェーズやプロダクト特性は異なります。顧客との接点を増やす施策もあれば、顧客が自分で学べる状態を作る施策、プロダクトの画面上で、迷わず操作できるように支援する施策もあります。

この記事では、テックタッチツールの種類を3つに整理したうえで、自社に合う選定ポイントと、導入しても使われない失敗を避ける考え方を解説します。

この記事の要点

  • テックタッチツールは、コミュニケーション、学習・トレーニング、プロダクト体験の3種類に分けて考えると整理しやすい

  • ヘルススコアツールは主にCS側の判断を支援するもの、テックタッチツールは主に顧客側の体験を支援するものとして役割が異なる

  • 選定では、事業フェーズ、プロダクト特性、顧客の利用意欲、支援単価を掛け合わせて判断することが重要である

  • FAQや学習コンテンツは、利用モチベーションが高い顧客には効きやすいが、すべてのサービスで万能ではない

  • ROIを出すには、現状業務のどこに組み込むかを決めてから、小さく始めるほうが失敗しにくい

こんな方におすすめです

  • テックタッチを始めたいが、何を比較すべきか整理できていない方

  • ハイタッチだけでは支援が回らず、仕組み化を検討しているCS責任者

  • チャット、FAQ、ガイド系ツールの違いを事業側の視点で理解したいPdM

このテーマだけでは足りない可能性がある方

  • ベンダーごとの料金や機能差をそのまま比較したい方

  • すでに導入ツールが決まっていて、実装方法だけを知りたい方

  • 個別ツールの詳細な比較表を探している方

テックタッチツールとは?まずはヘルススコアツールとの違いを整理

テックタッチツールとは、顧客が自力で使い始めたり、活用を深めたりできるように、テクノロジーを使って支援するための仕組みです。

ここで混同しやすいのが、ヘルススコアツールとの違いです。どちらもカスタマーサクセスの文脈で使われますが、主な対象者と役割が異なります。

ヘルススコアツールは、CS担当者が「どの顧客に優先対応すべきか」「どの顧客に解約リスクがあるか」「どの顧客に活用促進の余地があるか」を把握しやすくするためのものです。

一方で、テックタッチツールは、顧客自身に対して操作案内、学習支援、画面上の補足、自己解決導線などを届けるために使います。

この違いを表にすると、次のように整理できます。

項目

ヘルススコアツール

テックタッチツール

主な対象者

自社のCS担当者

自社の顧客・ユーザー

主な役割

顧客状態の可視化、優先順位付け

顧客の活用支援、自己解決支援

使う目的

支援すべき顧客を見つける

顧客が自力で前に進める状態を作る

便益

ハイタッチやフォローの判断をしやすくする

顧客が増えても均質な支援を届けやすくする

つまり、ヘルススコアツールは「支援する側の判断」を助ける道具であり、テックタッチツールは「支援される側の体験」を整える道具です。

どちらが上位という話ではありません。むしろ、顧客状態を把握する仕組みと、顧客に支援を届ける仕組みを分けて考えることで、CS全体の設計が整理しやすくなります。

テックタッチツールの種類は?3つの分類で整理できる

テックタッチツールは一括りではありません。実際には、チャット、FAQ、メール配信、ヘルプセンター、動画、プロダクトツアー、チュートリアル、ツールチップなど、さまざまな施策があります。

ただし、選定時には大きく次の3種類に分けて考えると整理しやすくなります。

分類

主な施策例

主な目的

コミュニケーション型

チャット、問い合わせ管理、メール配信、ポップアップ通知

顧客との接点を作り、相談や案内を届けやすくする

学習・トレーニング型

マニュアル、FAQ、ヘルプセンター、eラーニング、動画

顧客が必要な知識や操作方法を自分で学べるようにする

プロダクト体験型

プロダクトツアー、チュートリアル、ツールチップ、画面上ガイド

顧客が画面上で迷わず操作できるようにする

この3分類は、厳密な製品カテゴリというより、施策を選ぶための整理です。実際のツールには、複数の機能が含まれていることもあります。

重要なのは、ツール名や機能数から選ぶことではなく、「どの顧客課題を、どのタイミングで解決したいのか」から考えることです。

コミュニケーション型

コミュニケーション型は、顧客との接点を作るのが得意です。チャット、問い合わせ管理、メール配信、ポップアップ通知などが代表的です。

質問窓口があること自体が安心感につながるため、初期フェーズでも導入しやすい傾向があります。また、新機能案内、セミナー告知、重要なお知らせなどを顧客に届ける手段としても使いやすい施策です。

一方で、接点が増えるほど自社側の対応工数が増えやすい点には注意が必要です。チャットを設置しても、有人対応が前提であれば問い合わせ対応は残ります。メール配信は埋もれやすく、チャットボットもシナリオ設計やメンテナンスが必要です。

つまり、コミュニケーション型は顧客接点を増やす施策として有効ですが、それだけで自社工数を大きく削減できるとは限りません。

学習・トレーニング型

学習・トレーニング型は、ナレッジを蓄積し、顧客が自分のペースで学べる状態を作るのに向いています。マニュアル、FAQ、ヘルプセンター、動画、eラーニングなどが代表的です。

専門性が高いサービスや、操作方法だけでなく背景知識の理解が必要なサービスでは、特に相性があります。たとえば、管理者向けの設定業務、業務フローの理解、専門用語の説明、活用ノウハウの共有などは、学習コンテンツとして整理しやすい領域です。

ただし、学習コンテンツは作って終わりではありません。機能追加や仕様変更に合わせて継続的な更新が必要です。また、顧客に学ぶ意欲がなければ、どれだけ整備しても見られにくいという課題があります。

特に、日常業務の中で急いで操作している利用者にとっては、別画面のFAQや動画を開くこと自体が負担になる場合があります。

プロダクト体験型

プロダクト体験型は、テックタッチツールの本丸であり顧客がプロダクトの画面上でそのまま理解できるように支援する施策です。プロダクトツアー、チュートリアル、ツールチップ、画面上ガイドなどが代表的です。

初回離脱を防ぎたい、設定完了率を高めたい、特定機能の利用率を上げたい、問い合わせを減らしたい場面で特に力を発揮します。

画面上で「今やること」を案内できるため、顧客が別のヘルプページを探しに行かなくても、操作の流れに沿って理解しやすいのが強みです。

一方で、すべての顧客課題をプロダクト体験型だけで解決できるわけではありません。複雑な業務設計や個社別の活用提案、意思決定を伴う相談には、人による支援が必要な場合もあります。また、画面や導線が変わる場合には、ガイドやチュートリアルの更新運用も必要です。

3種類の強みと弱みを並べると、次のようになります。

分類

強み

弱み

コミュニケーション型

接点を作りやすい、導入しやすい、案内を届けやすい

工数増加につながることがある、メッセージが埋もれやすい

学習・トレーニング型

ナレッジ蓄積に向く、専門性の高いサービスに合う

作成と更新に手間がかかる、学ぶ意欲がないと使われにくい

プロダクト体験型

初回離脱防止、定着促進、問い合わせ削減に向く

事前設計が必要、個別提案の代替にはなりにくい

どの種類を選ぶべきか?事業フェーズで見る判断軸

テックタッチツールは、事業フェーズによって優先順位が変わります。

どのツールが優れているかではなく、今の事業段階で何を解決したいかで見ることが大切です。

SaaSやWebサービスを例にすると、次のような見方ができます。

フェーズ

起きやすい状態

主な課題

優先しやすい施策

立ち上げ期

少数顧客にハイタッチで対応している

CSプロセス自体がまだ固まっていない

チャット、マニュアル、FAQなどの基本接点

拡大初期

顧客が増え、状況把握が難しくなる

優先順位付け、顧客理解、支援品質のばらつき

プロダクト分析、ヘルススコア、基本ナレッジ整備

グロース期

顧客増加にCSの工数が追いつかない

人に頼らない支援の仕組み化

テックタッチ施策の本格導入

成熟期

顧客層や用途が多様化する

セグメント別支援、アップセル、継続利用

行動データに応じた出し分け、プロダクト内ガイド、学習コンテンツの高度化

ここで重要なのは、テックタッチ化はグロース期に本格検討されやすい一方で、何を選ぶかはプロダクト特性や顧客特性によって分岐するということです。

たとえば、グロース期だから必ずプロダクトツアーを入れるべき、という話ではありません。顧客がどこで止まっているのか、何を理解できていないのか、どの支援を人が繰り返しているのかを見たうえで、施策を選ぶ必要があります。

ツール選定で失敗しやすいパターンは何か

失敗の多くは、ツールの性能不足ではなく、選び方の順番を間違えることから起きます。特にせっかく導入したにも関わらずうまくいかなかったケースが多い3つを挙げます。

  • 課題設定が曖昧なまま導入する

  • 必要な場面にツールが接続されていない

  • 全てを自動化しようとする

課題設定が曖昧なまま導入する

ツールやコンテンツを用意しても、それが今の支援プロセスに組み込まれていなければ成果にはつながりません。どの工程の、どのつまずきを解消するために使うのかを決めて、初めて施策として機能します。

たとえば、初回ログイン後の離脱が多いなら、ログイン直後に「最初にやるべきこと」を案内する必要があります。初期設定でつまずく顧客が多いなら、設定画面上で入力項目の意味や次に進む手順を補足する必要があります。トライアル中に価値が伝わらないことが課題なら、顧客が機能を探索しているタイミングで、活用例や次のアクションを提示する必要があります。

このように、「どの工程で」「どの顧客に」「どんな行動を促すのか」が決まっていないまま始めると、目的も評価指標も曖昧になります。その結果、施策は用意したものの、業務にも顧客体験にも定着しない状態になりやすくなります。


必要な場面に接続されていない

FAQや動画を充実させても、顧客が必要なタイミングで見つけられなければ成果にはつながりません。問題はコンテンツの質だけでなく、どの場面で、どの課題を解決するために見てもらうのかが設計されていないことにあります。

たとえば、初期設定でつまずいている顧客に対して、ヘルプページの一覧を用意するだけでは不十分な場合があります。顧客は、そもそも何を調べればよいのか分からないまま止まっていることもあるためです。このような場合は、FAQや動画を増やす前に、つまずきやすい画面や操作の流れに合わせて、必要な情報へ自然に誘導する設計が必要です。


全てを自動化しようとする

最初から全工程をテックタッチに置き換えようとすると、設計も運用も重くなります。顧客側にも不自然な体験になりやすく、社内の合意形成も難しくなります。

現実的なのは、既存のハイタッチ業務の中から、繰り返し発生し、標準化しやすい説明を切り出してテック化することです。段階的に進めたほうが、成果も検証しやすくなります。

最初の一歩として何をやるべきか

人とテックの役割を定義して考える

顧客支援のプロセスにおいて、各工程で「人がやるべきこと」と「テックで置き換えやすいこと」を分けて考えると何から行うべきかを考えやすくなります。

ステップ

人が担うこと

テックで支援しやすいこと

見たい指標

初期設定

目的の整理・理解

設定画面への誘導、項目の補足説明

ログイン数、設定完了率

主要機能の利用

活用提案、個別相談、意思決定支援

機能案内、利用文脈に応じたガイド

主要機能の利用状況、トライアル中の行動

活用促進

効果のヒアリング、運用の悩み・相談

新機能案内、顧客向けウェビナー周知

継続的なログイン頻度、新機能活用率

このように整理すると、テックタッチツールは「人をなくす道具」ではなく、「人が本来やるべき支援に集中するための道具」として使いやすくなります。

ハイタッチ業務の中に小さく組み込む

ここで、はじめて具体的なツール選定に入ります。たとえば、初回ログインから初期設定までの離脱が課題なら、プロダクト体験型の施策が優先されます。専門知識の理解不足が課題なら、学習・トレーニング型の施策が必要かもしれません。顧客への案内やリマインドが届いていないなら、コミュニケーション型の施策から見直すべきかもしれません。

このようにすると、ツールを導入すること自体が目的ではなく、現状業務の中で、どこを仕組み化すると顧客体験とCS効率の両方に効くのかを見極め、その設計をプロダクト上に実装することが重要です。

FAQ

テックタッチツールとヘルススコアツールはどちらを先に入れるべきですか?

目的によって変わります。CSの優先順位付けや危険顧客の把握が先に必要なら、ヘルススコアの整備が有効です。一方で、初回離脱や問い合わせ増加のように顧客体験の摩擦が明確なら、テックタッチ施策を優先したほうが改善しやすいことがあります。重要なのは、顧客状態を把握したいのか、顧客体験を改善したいのかを分けて考えることです。

テックタッチツールはFAQやマニュアルがあれば十分ですか?

十分とは限りません。FAQやマニュアルは、顧客が自分から見に行く前提の施策です。利用モチベーションが高い顧客には有効ですが、急いで操作している顧客や、そもそも何を調べればよいか分からない顧客には、画面上でその場に合わせて案内する施策のほうが合うことがあります。

テックタッチツールを入れるとハイタッチは不要になりますか?

不要にはなりません。実際には、繰り返し説明をテックに任せ、個別提案や難しい判断を人が担う形のほうが機能しやすいです。テックタッチはハイタッチの代替ではなく、ハイタッチを守るための仕組みとして考えるほうが現実的です。

ROIを出しやすい導入順はありますか?

あります。いきなり全体最適を狙うよりも、初回ログイン、初期設定、頻出問い合わせのように、今すでに工数がかかっている工程から小さく始めるほうが成果を測りやすくなります。業務フローを書き出し、人とテックの役割を決めてから着手するのが近道です。

まとめとOnboardingについて

テックタッチツールは、コミュニケーション、学習・トレーニング、プロダクト体験の3種類に分けて考えると、自社に合う選定軸が見えやすくなります。

大切なのは、流行りのツール名や機能一覧から入ることではありません。自社の事業フェーズ、プロダクト特性、顧客の利用意欲、支援単価、そして今の業務のどこに組み込むかを先に整理することです。またテックタッチは、人の支援をなくすためのものではありません。人が担うべき個別提案や判断支援に集中できるよう、繰り返し発生する説明や案内を仕組み化するための考え方です。

株式会社STANDSの提供するOnboardingは、このようなテックタッチ施策を、Webサイトやプロダクトの画面上で実装するための選択肢の1つです。

Onboardingでは、ユーザーの状況や表示している画面に合わせて、ポップアップ、チュートリアル、ツールチップ、ヒント、AIチャットなどを出し分けることができます。初回ログイン後の案内、初期設定画面での補足、新機能の利用促進、問い合わせが多い画面での自己解決支援など、顧客が迷いやすいタイミングに合わせて案内を届けられます。

また、こうした施策をノーコードで作成・改善できることが特徴です。開発を待たずに、CSやマーケティング、プロダクト担当者が顧客体験を見直し、必要な案内を段階的に追加できます。Onboardingの詳細を知りたい方はこちらより資料をダウンロードしてみてください。


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