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マッチングサービスは「探す人」ばかり便利になって、「載せる人」が後回しにされる理由 

公開日:

2026/07/16

最終更新日:

2026/7/16

マッチングサービスは「探す人」ばかり便利になって、「載せる人」が後回しにされる理由 

マッチングサービスは「探す人」ばかり便利になって、「載せる人」が後回しにされる理由 

取締役COO

藤原タケフミ

株式会社STANDS取締役COO。ノーコードでWebサービスのユーザー体験を改善する「Onboarding」を提供。営業・CS・マーケティングを統括し、生成AIを活用したサービス改善と事業成長に取り組んでいます。

藤原タケフミ

株式会社STANDS取締役COO。ノーコードでWebサービスのユーザー体験を改善する「Onboarding」を提供。営業・CS・マーケティングを統括し、生成AIを活用したサービス改善と事業成長に取り組んでいます。

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UberやAirbnbのようなマッチングサービスは、「探す人」と「載せる人」の両方がそろって初めて価値を発揮します。

Uberなら、乗りたい人(探す人)と、運転してくれる人(載せる人)
Airbnbなら、泊まりたい人(探す人)と、部屋を貸す人(載せる人)

これは人材サービスや不動産サービスでも同じです。人材サービスなら求職者と求人企業、不動産サービスなら物件を探す人と不動産会社がそれにあたります。マッチングサービスは両者を活性化することでサービスはグロースします。

ところが、実際の多くのサービス改善では、「探す人」向けの機能や画面ばかりが便利になっていき、「載せる人」が使う画面は後回しにされてしまう場面が多々あります。仕事を探すための求人サイトの検索画面はどんどん賢くなるのに、企業が求人票を掲載する画面は何年も変わっていない。不動産サイトの物件検索は使いやすくなるのに、不動産会社が物件を登録する画面は相変わらず入力項目だらけ。そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。

なぜこんなことが起きるのか。本記事では、その構造と、開発を待たずに解決する方法を整理します。

マッチングサービスは「探す人」と「載せる人」の両方で成り立つ

人材・不動産・旅行・スキマバイトで見る「探す人」と「載せる人」

マッチングサービスは業界によって呼び方は違いますが、構造はどれも同じです。

領域

探す人

載せる人

人材サービス

求職者

求人企業・採用担当者

不動産サービス

借りたい人・買いたい人

不動産会社・物件オーナー

旅行予約

旅行者

宿泊施設

スキマバイト

働きたい人

店舗・企業

BtoBマッチング

発注企業

受注企業・専門家

フリマ・EC

買いたい人

出品者・販売店

どちらか一方だけでは、マッチングは成立しない

求職者がどれだけ集まっても、求人が魅力的でなければ応募は生まれません。物件を探す人がどれだけサイトに来ても、掲載物件の情報が古く薄ければ問い合わせにはつながりません。

つまり、マッチングサービスの価値は「探す人」の体験だけでは決まらず、「載せる人」がどれだけ良い情報を、どれだけ早く、どれだけ多く出せるかにも左右されます。例えばUberの初期は、探す人(乗客)を集める前に載せる人(ドライバー)を自社雇用してでも確保するという、一見遠回りに見える戦略を取ったのです。

それでも「探す人」向けの改善ばかり進みやすい

「探す人」向けの改善は数字に出やすい

検索画面のUI改善、レコメンドの精度向上、応募ボタンの配置変更。こうした「探す人」向けの施策は、CVR・応募率・問い合わせ率・検索離脱率といった指標にすぐ表れます。効果が数字で説明できるので、社内で予算がつきやすく、改善のサイクルも回りやすくなります。

「載せる人」向けの改善は成果が見えにくい

一方、求人票を作る画面や物件を登録する画面を改善しても、それが「翌月の応募数が何%増える」という形で直接説明しづらいのが実情です。効果が出るとしても、掲載品質の向上や更新頻度の改善を経由して、じわじわと数字に効いてくる間接的なものになります。この「説明のしづらさ」が、投資の優先順位を下げる一因になります。

「載せる人」の使いにくさは、なぜ後回しにされるのか

「載せる人」向け画面は社内向け・法人向けに見られやすい

求人企業や不動産会社が使う管理画面は、エンドユーザー向けの画面と違って「法人向けの業務システム」として扱われがちです。多少使いにくくても、取引先である以上ある程度は使ってもらえる、という前提が生まれやすく、改善の優先度が下がります。

投資対効果を説明しづらい

「載せる人」向け機能の改善は、前述の通り成果が間接的にしか見えません。開発リソースの配分を検討する場面で、CVR改善が見込める「探す人」向け機能と並べられると、どうしても後回しにされやすくなります。

開発リソースが「探す人」向け機能に優先配分される

開発チームのリソースは有限です。プロダクトロードマップ上で優先順位をつける際、成果が見えやすい「探す人」向けの機能が先に選ばれ、「載せる人」向けの改善は「いつかやる」リストに積まれたまま動かなくなりがちです。

現場では、営業やCSが「載せる人」の面倒を人力でカバーしている

「載せる人」向けの画面が使いにくいままの理由があります。営業やカスタマーサクセス(CS)が、システムの不備を人力で埋めているからです。

営業やCSが代筆する

例えば人材業界の場合、企業が求人媒体に掲出する際に、求人媒体の営業担当が求人票を代筆し、企業担当者に確認してもらっています。求人票には、仕事内容や応募条件だけでなく、職場の雰囲気、働き方、求める人物像など、求職者が応募を判断するための情報を分かりやすく盛り込む必要があります。しかし、採用担当者としては自社の魅力をどのように言語化すればよいか分からないケースも少なくありません。そのため、営業担当がヒアリング内容をもとに求人票の原案を作成し、企業側は内容を確認・修正するだけで掲載できるようにしています。

登録不備や過剰表現をCSが確認する

例えば不動産業界の場合、物件情報の登録が不十分な場合、CSが不動産会社に連絡して、写真や設備情報の追加を依頼します。また事実と異なる表現や誤解を招く記載がないか、法律や媒体の掲載ポリシーに抵触していないかも確認します。例えば、実際よりも著しく優良に見せる表現、根拠のない「格安」「最高」といった表現、入居条件に関する不適切な記載などは、修正が必要になる可能性があります。

入力漏れや使い方の問い合わせを人力で吸収してしまう

管理画面の使い方が分からないという問い合わせに対して、都度電話やチャットで対応しますが同じ質問が何度も繰り返され、そのたびにCSやサポート担当者の対応工数が発生します。

問い合わせの内容は、「どの項目を入力すればよいか」「登録した情報をどこから修正できるか」「次に何をすれば公開できるか」といった、操作方法や入力手順に関するものが中心です。マニュアルやFAQを用意していても、ユーザーが必要な情報を自分で探し、現在の画面に合った回答を見つけられるとは限りません。

課題が「プロダクトの問題」として可視化されない

こうした人力対応は、現場では「いつもの業務」として処理されてしまいます。本来はプロダクトの使いにくさが原因であるにもかかわらず、営業やCSの工数として吸収されるため、経営層や開発チームの目に「解決すべき課題」として届きにくくなります。結果として、システム改善の必要性がいつまでも顕在化しません。

「載せる人」が使いにくいままだと、「探す人」の体験も悪くなる

掲載する情報の質が下がる

登録画面が使いにくいと、「載せる人」は最低限の情報しか入力しなくなります。求人票の情報が薄い、物件写真が少ない、といった状態が常態化します。また、誤解を招く表現や、法律・媒体ポリシーに抵触する可能性のある記載が含まれることでトラブルやクレームの発端になり、サービスイメージに悪影響を与える可能性もふk稀ます。

掲載までの時間と運営側の対応工数が増える

入力漏れや不適切な表現があると、営業やCSが掲載企業へ連絡し、修正を依頼します。必要な情報がそろうまで、電話やメール、チャットで何度もやり取りが発生することもあります。

管理画面の操作方法が分からない場合も、CSが画面を確認しながら入力手順を案内します。「どこから修正するのか」「なぜ公開できないのか」といった同じ問い合わせに、その都度人が対応している状態です。

本来は登録画面上で防げる入力漏れや操作上の迷いを、営業やCSが人力で吸収しているため、掲載までの時間が延び、運営側の業務負荷も高まります。

結果として「探す人」が良い出会いに辿り着けなくなる

「探す人」が応募や問い合わせを判断するには、十分で正確な情報が、適切なタイミングで掲載されている必要があります。

検索画面が使いやすくても、求人票の内容が薄い、物件写真が少ない、掲載情報が古い、問い合わせてもすでに募集や掲載が終了しているという状態では、良い求人や物件には出会えません。

つまり、「探す人」の体験は検索画面だけで決まるものではありません。その前段で「載せる人」が、迷わず、正しく、十分な情報を登録・更新できるかどうかにも左右されます。

とはいえ、「載せる人」向けの画面を作り直すのは簡単ではない

既存業務や社内システムと密接に結びついている

「載せる人」向けの管理画面は、社内の承認フローや基幹システム、取引先とのやり取りと結びついていることが多く、単純に画面だけを差し替えるわけにはいきません。

全面改修には時間と開発工数がかかる

関係者が多く、業務フローも複雑なため、全面的に作り直すとなると相応の開発期間とコストがかかります。

優先順位がどうしても上がりにくい

投資対効果を説明しづらいテーマに、大きな開発工数を割り当てる意思決定は簡単ではありません。結果として、「必要だと分かっていても着手できない」状態が続きます。

画面を作り直さなくても、「載せる人」の使いやすさは改善できる

全面改修が難しくても、既存の画面はそのままに、その上に支援機能を追加するというアプローチがあります。

入力項目ごとのヒント表示

求人票や物件情報の入力画面で、各項目にその場でヒントを表示し、何を書けばよいか迷わせない。

求人票・紹介文の作成支援

AIによる文章生成やチェック機能で、魅力的な求人票や物件紹介文の作成をその場で支援する。

つまずきやすい画面でのFAQ表示

問い合わせが多い画面に、よくある質問をあらかじめ表示しておくことで、営業やCSへの問い合わせ自体を減らす。

未入力・離脱を防ぐポップアップ案内

入力途中で離脱しそうな箇所や、必須項目の抜け漏れを検知し、その場で案内を出して完了率を上げる。

Onboardingなら、「載せる人」の画面をノーコードで改善できる

Onboardingは、既存のWebサービスや業務システムの画面の上に、ガイド・ポップアップ・AI接客・自己解決導線をノーコードで追加できるツールです。開発チームの手を借りずに、「載せる人」向けの体験を改善できます。

人材サービスでの活用例

  • 求人票作成画面で、入力のポイントや訴求文の書き方をその場で案内する

  • スカウト文の作成をAIで支援する

  • 候補者管理画面で、次に取るべきアクションを案内する

  • 採用担当者が迷いやすい画面に、FAQやAI相談導線を表示する

不動産サービスでの活用例

  • 物件登録画面で、入力漏れや必須項目をその場で防ぐ

  • 写真・設備情報・紹介文の登録を支援する

  • 掲載品質が低い項目に対して、改善のヒントを表示する

  • 問い合わせ対応画面で、次に取るべき対応を案内する

開発を待たずに、営業・CSの工数を減らしながら改善できる

既存のシステムに手を入れずに導入できるため、開発の優先順位を待つ必要がありません。営業やCSが毎回人力で説明していた内容をプロダクト内で自己解決させることで、現場の工数を減らしながら、掲載品質や対応スピードの改善につなげられます。

まとめ

マッチングサービスは、「探す人」だけでなく「載せる人」がいて初めて成り立ちます。しかし実際には、成果が見えやすい「探す人」向けの改善ばかりが進み、「載せる人」向けの画面は使いにくいまま放置されやすい構造があります。

その負担は営業やCSが人力で吸収してしまうため、課題として表面化しにくく、結果として「載せる人」向けのシステム改善にはなかなか予算がつきません。しかし、「載せる人」の体験が悪いままでは、掲載品質や対応スピードが落ち、最終的には「探す人」の体験にも影響します。


全面改修に踏み切れなくても、既存の管理画面はそのままに、入力ヒントやポップアップ、AIによる求人票・紹介文の作成支援、そして自己解決導線を一枚重ねるだけで、「載せる人」が迷わず使える状態はつくれます。Onboardingはタグを1行入れるだけで、エンジニアの手を借りずにこうしたガイドやAI接客をノーコードで追加できるUI/UX改善プラットフォームです。「載せる人」向け画面のどこから改善できるのか、具体的な機能と導入イメージは資料でまとめてご紹介しています。


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