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2022年06月29日
アクティブユーザーとは?用語の定義や調べ方の基本を紹介!

サービスがユーザーにどの程度活用されているか、効果測定を行い改善すべき課題を把握することは、事業を成長させていくために欠かせない取り組みです。
適切な効果測定を行うためにはさまざまな指標をチェックする必要がありますが、そのなかでも重要な指標の一つが「アクティブユーザー(AU)」です。
この記事では、効果測定でサービスの改善ポイントを見いだし、ユーザーのサービス定着と利活用を促していきたいカスタマーサクセス担当者の方向けに、アクティブユーザーを中心としたWebサービスの効果測定の基本について解説します。
アクティブユーザー(AU)とは?
最初に、アクティブユーザーおよび関連する効果測定指標の概要について紹介します。
アクティブユーザーの定義
アクティブユーザー(AU:Active Users)とは、「ある所定の期間にサービスを利用しているユーザー」を指します。
ユーザー単位で測定するため、所定の期間内に同じユーザーが複数回サービスを利用していても、重複カウントすることはしません。
「サービスを利用しているかどうか」を定義する最も基本的な基準は、所定の期間内のセッション発生(Webサービス提供ページへのアクセス)です。
Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを用いることで測定できます。
ただし各サービスの特徴によっては、セッションの他にも別途特定の操作などをより詳細な基準として設定する場合もあります。
「MAU」「WAU」「DAU」の違いは計測期間
アクティブユーザー(AU)に関連するキーワードとして「MAU」「WAU」「DAU」があります。
MAU・WAU・DAUの違いは、計測の対象期間です。
以下の通り、それぞれ月あたり・週あたり・一日あたりのアクティブユーザーを指しています。
MAU:月間アクティブユーザー(Monthly Active Users)
WAU:週間アクティブユーザー(Weekly Active Users)
DAU:一日あたりアクティブユーザー(Daily Active Users)
MAU・WAU・DAUのうち、どの指標に着目すべきなのかは提供しているサービスの種類や利用形態によって異なります。
例えば、月に数回の利用を想定したサービスであればMAUをチェックすべきですし、毎日利用する前提のサービスであればDAUを確認することで、サービス活用度の実態を把握することができます。
自社のサービスはどの程度の頻度で使われていれば健全に活用されていると判断できるのかを明確にした上で、追うべきアクティブユーザーの指標を見定めましょう。
ユニークユーザー(UU)とアクティブユーザーの違い
アクティブユーザーと類似の指標として、ユニークユーザー(UU:Unique Users)があります。
ユニークユーザーとアクティブユーザーの違いは、一般的に「集計期間の設定有無」とされています。
具体的には、以下の通り違いがあります。
ユニークユーザー数:総セッションの中から、ユーザーの重複を除いた数
アクティブユーザー数:ある所定の期間に発生した総セッションの中から、ユーザーの重複を除いた数
ただし、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールにおいては、事実上同じ意味合いで扱われていることがほとんどです。
アクティブ率とは?主要な指標とその特徴
アクティブユーザー数が多く見えても、母数に対する割合が低ければ、そこには改善すべき課題が隠れているかもしれません。
ここからはアクティブユーザーの割合を示す「アクティブ率」について解説します。
アクティブ率としてよく用いられる代表的な指標2つと、その特徴について確認しましょう。

アクティブ率として用いられる主な指標
MAU/DL数(月間アクティブユーザー数/ダウンロード数)
MAUをサービスのDL数で割った指標からは、サービスを導入したユーザーのうちどれくらいのユーザーが実際にサービスを利用しているのかを把握することが可能です。
MAU/DL数で表されるアクティブ率が低い場合、サービスの利用開始〜オンボーディングに何らかの課題があると推察できます。
DL数に比例してアクティブユーザー数が伸びていない場合、新規ユーザーの獲得に成功しているように見えても、後々には解約数が増えると想定され、その結果最終的な利益にはつながらない可能性があります。
MAU/DL数を測定することで、そのような兆候を把握し早期に対策を検討できます。
DAU/MAU(一日あたりアクティブユーザー数/月間アクティブユーザー数)
DAUをMAUで割った指標からは、毎日の利用を想定しているサービスのユーザーエンゲージメントや粘着性(ユーザーがどの程度サービスに惹きつけられているか)を測ることができます。
日常的な利用を前提としたサービスにおいては、既存ユーザーがどのくらい頻繁にサービスを利用しているかを表すDAU/MAUの指標が非常に重要な意味を持ちます。
一見、MAUからは多くのユーザーがサービスを利用しているように見えても、「十分にサービスを活用でき、価値を実感している」「サービスが日々の生活・業務に欠かせないものになっている」というユーザーが少なければ、将来的には離脱やLTVの低下が発生しうるでしょう。
アクティブユーザー数やアクティブ率から分かること
アクティブユーザーの数や割合を測定することで、サービスの課題や改善すべきポイントを見いだすことができます。
契約数だけでは分からないサービスの利用実態
契約数やダウンロード数はユーザー規模を測る重要な指標ではありますが、実際にサービスを活用しており、長期的に利益をもたらしてくれる可能性が高いユーザーのボリュームを示すことはできません。
また、契約数やダウンロード数はキャンペーンなどの影響で一時的に極端に増加したり、サービス提供期間が長くなるほど増える傾向があったりすることからも、数が多いだけでサービスが健全な状態にあると判断するのは早計です。
特に、SaaSの場合は継続的なサービス利用を前提としたサブスクリプション型の収益モデルをとるため、新規契約数が多くてもすぐに解約されてしまっては利益の確保が困難です。
そのため、アクティブユーザー数やアクティブ率を測定し、サービスの利用実態を把握することはSaaSビジネスにおいてとりわけ重要と言えます。
ユーザーの定着率
アクティブユーザー数・アクティブ率からは、ユーザーのサービス定着度合いを測ることができます。
継続的・定期的にアクティブユーザー数・アクティブ率を測定することで、サービスの導入〜定着〜活用のカスタマーライフサイクルを理想的な期間で進めることができているか確認しましょう。
また、ユーザー全体を対象とした測定だけではなく、契約時期などでユーザーをセグメント分けした上でアクティブ率を測ることで、カスタマーライフサイクル上で特に課題となっているポイントを見つけやすくできます。
他の指標とあわせた分析が必要
アクティブユーザー数やアクティブ率を測定・分析する目的は、収益につながるユーザーのエンゲージメントの現状を捉えるとともに、改善すべき点を特定することにあります。
ユーザーの定着率やサービス活用度を測る指標は、アクティブユーザー数やアクティブ率ばかりではありません。自社が提供するサービスの特徴やターゲットの特性に応じて、他の指標も総合的にチェックするようにしましょう。
例えば、初期設定の完了率や主要な機能の利用率、顧客満足度調査やNPS®の結果はあわせて確認すべき代表的な指標と言えます。
Googleアナリティクスを使ったアクティブユーザーの調べ方
Webサービスのアクティブユーザーの調べ方として代表的なものが、「Googleアナリティクス」です。
※Googleアナリティクスの利用には、あらかじめ登録と測定対象のWebページへのトラッキングコードの埋め込みが必要です。
Googleアナリティクスでは、測定期間別にアクティブユーザーを調べることができます。
手順は以下のとおりです。
① Googleアナリティクスへログイン
② 左メニューから「ユーザー」>「アクティブユーザー」を選択
③ 「1日のアクティブユーザー数」「7日間のアクティブユーザー数」「14日間のアクティブユーザー数」「28日間のアクティブユーザー数」のいずれかのチェックボックスを選択
または、右上の期間選択ボックスから任意の期間を設定
また、Googleアナリティクスの「コホート分析」という機能は、ユーザーの定着率の調査に役立ちます。
コホート分析とは、ある条件に基づいてグループ分けしたユーザーの傾向を数値化し分析する手法です。
はじめてユーザーがWebサービスを訪問した日から見たアクティブユーザーの傾向を、以下の手順で確認できます。
① Googleアナリティクスにログイン
② 左メニューから「ユーザー」>「コホート分析」を選択
③ 「コホートの種類」「コホートのサイズ」「指標」「期間」をそれぞれ選択
コホートの種類:「集客の日付」を選択
コホートのサイズ:「日別」「週別」「月別」のいずれかを選択
指標:「定着率」内の「ユーザー維持率」を選択
期間:「過去7日」「過去14日」「過去21日」「過去30日」のいずれかを選択
コホート分析を用いることで、以下の図のような形で視覚的にアクティブユーザーの傾向を把握可能です。

コホート分析の見方
まとめ
この記事では、アクティブユーザーをはじめとしたWebサービスの効果測定指標や方法について解説しました。
好調に新規契約を獲得できているように見えても、アクティブユーザーが少ない場合は長期的な収益の確保につながる健全な状態ではないかもしれません。
アクティブユーザー数やアクティブ率といった指標を定期的にチェックすることで、ユーザーの定着率やエンゲージメントを捉え、改善すべき課題を見つけた場合はすみやかに対処していきましょう。
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